JR東日本のトイレットペーパーと日本の景観
 「JR東日本が『歩きスマホ』」防止に奇策 トイレットペーパーに印字」というニュースを目にしました。

JR東日本が「歩きスマホ」防止に奇策 トイレットペーパーに印字.jpg

 今回はこの話題から、一気に「景観」の問題に話を広げてみたいと思います。着地点がどこになるか、自分でもわかりません。しばらくは、まとまりのない能書きが続くと思います。

 記事によればJR東日本が今月から、主要駅のトイレに「やめましょう、歩きスマホ。」とびっしり印刷したトイレットペーパーを導入(とりあえず「なくなり次第終了」らしい)。それを見た人たちがツイッターで「すごい」「軽い狂気を感じた」など驚きの声を上げたそうです。

 なるほどねえ。

 私も、このトイレットペーパーには“狂気”を感じました。「軽い」どころか非常に重篤な狂気を感じましたね。
 ただひとつ言いたいのは、この程度の狂気は、トイレットペーパーなんかネタにしなくても、街のあちこちに日頃から溢れているじゃないかということ。「ああしましょう、こうしましょう!」「気をつけましょう、注意しましょう、やめましょう!」「こっちを見ましょう、買いましょう!」と、いたる所で浴びせかけられるアナウンスや絶叫には狂気を感じないくせに、「歩きスマホ」のトイレットペーパーには、ニュースになるほど(といっても、ネットならではの暇ネタですが)反応があるのはなぜなのか。
 駅のホームに限っても、トイレに入らなければ目にすることのないトイレットペーパーより、電車に乗れば必ず聞かされるアナウンスのほうが、私はよほど狂気を感じます。

 駅メロという場違いな音に「駅で音楽を聞かされたくない」と苦情を言うと、鉄道会社は「発車を知らせるサイン音ですから」などと言ってきます。しかし、駅メロが鳴り終わっても電車のドアが閉まるわけじゃない。大抵はそこからあらためて「3番線ドア閉まります。危険ですから駆け込み乗車はおやめください」といった大音量の自動アナウンスが流れます。そして、自動アナウンスが終わると立て続けに駅員が「はい3番線ドア閉まりまーーーーす駆け込み乗車はおやめくださーーーーーい!」と同じことを絶叫する。

 ひどいときには(というか当たり前のように)「チャンチャンチャンチ3番線ドはい3番線ドア閉まりまーーーーす駆け込み乗車はおやめくださーーーーーいア閉まります。危険ですから駆け込み乗車はおやめください」などと、駅メロを途中でぶった切って自動アナウンスが流れ、自動アナウンスをぶった切って駅員が叫び、また自動アナウンスの音が金魚の糞のようについてくる、というようなわけのわからない放送が数分置きに繰り返されるのです。

 このような放送が“狂気”でなくてなんなのか。駅メロは「今なら乗れるぞ」という駆け込み促進の合図にしかなってないし、自動アナウンスも分断されて意味はない。最初から駅員が「ドア閉まります」と言えばいいだけじゃないか。

 駅では、電車が発着するたびに「黄色い線の内側に下がれ」「足元に気をつけろ」「左右をよく見て空いたドアから乗れ」「降りる客がいなくなったら乗れ」「銃を捨てて手を頭の後ろで組めおーっと妙な気を起こすんじゃねえぜ」などと幼稚な指示をされ続けます。そして私が危惧していたとおり、ホームドアの設置が進んだため、そこから「ピンポーン」などの音が出るようになって、駅がさらなる騒音地獄と化してしまいました。

 ホームドアは線路への転落を防ぐ最も有効な手段だと私も思うし、設置には大賛成なのですが、いちいち開け閉めのたびに「ピンポーンピンポーン」と鳴るのはたまったものではありません。まあ、ホームドアが設置されれば「黄色い線の内側を……」というアナウンスは不要になるから、少しは駅が静かになるかもという淡い期待──は、はなからしていなかったのでがっかりもしませんが。

 階段からは「チュンチュンチュン」と、そこにいもしない不自然な鳥の鳴き声が響き、エスカレーターからは「手すりにおつかまりください」、エレベーターからは「1階ホームです。こちら側のドアが開きます」。改札口でも「ピーンポーンピーンポーン」「ピッピッピッピッ」「秋の東北旅行に出掛けてみてはいかがでしょうか」

 こうした、いくら書いても書ききれないほどの音の洪水は受け入れているのに、今回のトイレットペーパーにだけなぜ波紋が起きるのか。
 ま、それだけ気狂い沙汰のアナウンスが当たり前のものになり、誰も“狂気”を感じなくなってしまった、ということなんでしょう。精神病院に入っている人間は自分が狂っていることに気づかない、という構図とじつによく似てますねえ……。

 ともあれ、今回は冒頭に書いたとおり、ここから「景観」の話につなげたいと思っています。なぜなら、トイレットペーパーに印刷された“狂気のメッセージ”は、アナウンス地獄と通底する問題でもあるけれど、文字であるという点では看板を初めとする景観の問題により近しいからです。

 まだまだ能書きが続く。

 「静かな街を考える会」やこのブログのメインテーマは、スピーカー騒音です。サブテーマとしては近隣騒音もありますし、主に接客の場で不快な思いをさせられる言葉遣いや態度の問題も取り上げています。

 サブテーマにはもうひとつ「景観」もあります。ただこれまで、このブログで景観については「不動産業者の捨て看板」のこと(下記の関連記事参照)しか書いてきませんでした。
 それはなぜかというと、騒音に加え景観のことまでぶちまけ始めると収拾がつかなくなりそうだったから。また、近年は不動産業者の違法看板の増殖が目立ってひどく、個人的に憤懣やるかたない気持ちが抑えられなかったからです。一人で吉木りさ10万人分くらい怒ってます。さとう珠緒150万人分でもいいけど。

 もうひとつ、景観についてほとんど書かなかった理由は「騒音は耳を塞いでも防ぐことができない。でも、視覚の問題は目をそらしたりすれば意識から排除することもできる」という、じつに単純な違いがあるからです。

 スピーカー騒音には、家にいてもさらされます。防災無線、広報車、ごみ収集車の音楽、廃品回収、移動販売、救急車の過剰なサイレン、選挙カーや政治屋の演説、夜回りに火の用心、バスやトラックの警告音など、家の中にいても防ぐことができないのが「音」の特徴です。それと比べ目から入る情報である景観は、少なくとも自宅でへらへらしている最中に悩まされることはない。この違いはやはり大きいものがあります。

 そうはいっても、現実に「ごちゃごちゃと」「下品で」「汚らしく」「押しつけがましい」この国の景観には、外に出るたびイライラします。
 景観の問題と一口に言うけれど、それにはどんな要素があるのか。箇条書きにすればこうなります。

●高さも色もデザインもバラバラなビルや家屋、それが乱立する街並みそのものの醜さ
●コンクリート、フェンス、生垣など、素材にも形にも色彩にも統一感のない住宅地の塀
●ハコモノ行政が建てる、その土地の風土とそぐわぬ異様な姿の建造物
●乱立する電柱、空中にとぐろを巻く電線
●企業や商店のけばけばしい看板、のぼり、垂れ幕、ポスター、貼り紙
●役所・警察・自治会・学校などが立てる幼稚な注意道徳スローガンの看板、のぼり、垂れ幕、ポスター、貼り紙
●街のあちこちに貼られている政治屋どものポスター
●やたらめったら設置され、目の前の風景フレームを分断するガードレール(じつは、この問題に言及している人を見たことがない)
 など。

 一般に、多くの人が「景観を守ろう」「美しい風景を残そう」と言い始めるのは、「由緒ある神社の横に高層マンションを建てるな!」「自然豊かなこの川にダムは必要ない!」などという、じつにわかりやすい問題が持ち上がったときだけです。

 この主張はもっともだし私も異存ありませんが、どうも日本人はこうした「歴史や自然と人工物を対比させた場合の景観保全(特にダムだの基地だの空港だの、政治・イデオロギーや財産権が絡んだ問題)」にはある程度熱心だけれども、すぐ目の前でおこなわれている、日常生活の中での景観破壊の積み重ねには完全に無頓着です。
 「まちをきれいに!」などと原色ギラギラののぼりを立て、自ら街を汚していることにもまったく気づきません。

 それはいったい、なぜなのか。長くなったので、まとまりがつかないまま次に続きます。
 次回は経済学者・松原隆一郎氏の著書『失われた景観―戦後日本が築いたもの』などを引用しながら書くことになるんじゃないかと思います。

カテゴリ:景観
道路標識の改竄は逮捕するのに、捨て看板はいいのか?
 このところ、不動産業者の捨て看板(捨てカン、電ビラ、電バリとも言うらしい)問題についてほとんど書いていませんが、それらは相変わらず電柱、道路標識、街灯、街路樹、ガードレールなどに大量にベタベタと貼り付けられています。路上にはパイロンが放置され邪魔で見苦しいばかり。
 私はこのブログに書いていないだけで、看板を見かけると自分で剥がしたり、交番に行って「剥がせ(剥がしてくださいよ~取り締まってくださいよ~仕事してくださいよ~)」と頼んだり、役所に電話して「剥がせ(以下・同)」と言ったりし続けています。

 去年の夏から秋にかけては、2カ所の市役所に乗り込んで対応の強化を直談判したし、警察署にも行って掛け合ったりしました。
 でも、彼らは「通報があれば剥がしますから電話してください」と言うだけ。「道路パトロールは続けています」「巡回中に見つけたら撤去してます」とは言うものの、そんなことをしても焼け石に水だからなんの解決にもなりません。
 ある業者が(物件が売れて)貼らなくなったと思ったら、今度は別の業者が貼るの繰り返しで、町に汚らしい看板が増え続けるだけです。
 最近は、家の周囲で違法看板が多いとわかっている道は、鬱陶しいので避けて通るようになりました。でも、ちょっと自転車で遠出をすると、あちらこちらで看板だらけの道路に出くわすので、そのたびに剥がしたり、交番に行ったりしています。

 で、つい先日「大阪で道路標識にいたずらをした女を逮捕」という記事を見かけた気がしたので、あらためて検索すると、なぜか東スポに一番詳しく載っていました(笑)。

――――――

道路標識改ざんのアーティスト 恋人逮捕で来日出頭の意思表示

2015年01月16日 08時10分

 大阪や京都の市街地で道路標識に人型などのステッカーを貼って交通の危険を生じさせたとして、大阪府警は14日、自称イタリア・フィレンツェ在住の会社員浦川真弥(まみ)容疑者(43)を道路交通法違反の容疑で逮捕した。(中略)
 浦川容疑者と一緒に防犯カメラに写っていた男は交際相手のフランス人芸術家クレ・アブラーム氏(48)とみられる。(後略)

http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/356531/

道路標識改竄で逮捕.jpg

検索したら出てきた、改竄された他の標識。

改竄された標識01.jpg

改竄された標識02.jpg

――――――

 なるほどねえ。

 この道路標識の改竄は、確かに法に触れることだし迷惑な行為だと思いますが、これがさっさと摘発されるのに、不動産業者の捨て看板が野放しになっているのは、なぜなんでしょう。
 私は交番に行くときのため、違法看板を見かけると写真に撮ることがありますが、こんなものが町のあちこちに氾濫しているというのに。

不動産業者違法看板04.jpg
車道も歩道も狭いのに、ガードレールから左右にはみ出している看板。どうやって通れというのか

不動産業者違法看板03.jpg
カーブミラーの柱に何枚も案内板を貼り、パイロンまで置いている

不動産業者違法看板02.jpg
マット界のど真ん中を行く、お前は長州力か!

不動産業者違法看板01.jpg
今まで見た中で最悪の業者。大量の捨て看板が奥の方にも続いてます。この写真を見た警官はさすがに「これは酷い」とうめいてましたが、犯罪として検挙してくれないんだよなあ

 ここに載せたのは東京都内のあちこちで撮影した写真で、不動産業者の看板の中でも特に酷いケースですが、例えば電柱一本に1枚だけ貼ってあるようなものでも、それが何百mも続いていて、とても目の当てられない町並みになっている場所は至る所にあります。

 今回の道路標識へのいたずらが「交通の危険を生じさせる」ものであるなら、不動産業者の看板も同じでしょう。あの手の看板が車のドライバーに標識と錯誤させる意図を持っているのは明らかだし、路上のパイロンは邪魔でしょうがない。電柱やガードレールからはみ出た看板が自転車や歩行者にとって危険なことは、上の画像を見れば一目瞭然のはず。
 いちいち画像で指摘しなくても、何度も言うとおり「町のあちこち」にこのような看板が氾濫しているのに、それがまったく「見えない」日本人の視覚認識はどうなっているんでしょう。耳だけでなく目もおかしいんだろうね。

 私は、フランス人のいたずらがいいとは言いませし擁護もしませんが、それなりにスマートで批評性のある行為だとは思います。今回、改竄された標識と不動産業者の違法看板を比べれば、商売のためにベタベタと貼り付けている不動産業者の看板のほうが、その動機も行為も遙かに悪質だと思います。
 それをまったく取り締まらない日本の警察、行政や、せめて自分の家の周りの看板だけでも剥がそうとすらしない大多数の人たちの意識の低さは、いったいなんなんでしょうか。

 今回の事件がテレビのワイドショーで取り上げられたそうで、それを紹介したネットの記事には、

――――――

 司会の羽鳥慎一「アートかもしれないが、アートすべき場所ではないですよ」
 キャスターの赤江珠緒「アートといえば何でも許されると思うなよ、と感じてしまいます」
 標識を勝手にパロディー化した絵柄に作り変えられてはドライバーは戸惑ってしまう。アートというなら、実際の標識ではなくキャンバスのなかで表現しくれと言いたい。

――――――

 などと書いてあります。それなら不動産業者の看板には「広告かもしれないが、広告を貼るべき場所ではないですよ」と思わないのか? 「商売といえば何でも許されると思うなよ」とは感じないのか? 「広告というなら、新聞の折り込みにでも入れてくれと言いたい」とはならないのか?

 まあ、そもそも、おびただしい数の「標語看板」や「管理看板」、のぼりや垂れ幕を「注意してくれてうれち~!」と喜んでいる幼稚な日本人の目には、商売100%の不動産看板すら「ありがた~い御札」か何かに映っているのかもしれません。
 でも、そろそろこうした看板がいかに美観を損ね、町の環境を貧しいものにしているか、考えてみてはどうでしょう。

 スピーカー騒音と同様「道徳を押しつけ」「無神経に人を幼児扱いし」、そして「こうであらねばならない」という「空気」を無意識のうちに作り上げようとする看板の問題ですが、こんなブログはどうでもいいけど少し真面目に考えてみようかと思った方は、中島義道氏の『醜い日本の私』や、芦原義信氏の『街並みの美学』『続・街並みの美学』を一読することをおすすめします。

【追記】

 以前のエントリーでも触れた、東京都の「捨て看板等の共同除却キャンペーン」ですが、調べてみると毎年9月から10月にかけて実施して、11月にその結果を公表しているようです。

「第18回捨て看板等の共同除却キャンペーン」の実施結果について
「第17回捨て看板等の共同除却キャンペーン」の実施結果について
「第16回捨て看板等の共同除却キャンペーン」の実施結果について
「第15回捨て看板等の共同除却キャンペーン」の実施結果について
「第14回捨て看板等の共同除却キャンペーン」の実施結果について

 このほか、「東京マラソン」の前には、必ず沿道の貼り紙除去を実施しているようですが、もう、どちらもただのルーティンワークですね。いったいなんの意味があるんでしょう。毎回、発表の末尾にコピペされている「今後とも、都民や関係団体等と連携して、違反広告物の取締りを進めていきます」という文句ほど、「空念仏」と呼ぶにふさわしい言葉はありません。
 あんたたちが、一度でも違法広告物を「取り締まった」ことがあるのか?

カテゴリ:景観
成城学園前は不動産屋の違法看板だらけ
 またまたまた、音の問題から少し離れて、不動産業者の違法看板問題について書きます。

 ゴールデンウィークの前に、仕事で小田急線の成城学園前に行ったときのこと。駅(北口)周辺の路上が、このような不動産業者の案内板だらけでした。

成城学園前不動産看板.jpg

 黄色いカラーコーンにラミネート加工した案内板を貼り、ご丁寧にチラシまでくっつけて路上に放置しています。私はどこかで飯を食おうと北口周辺をうろうろしたのですが、ざっと歩いただけで10本以上のカラーコーンが置かれているのを見ました。
 この業者は、写真では見えませんが、カラーコーンをガードレールや電柱などに針金でくくりつけ、簡単には撤去できないようにしているところが、さらに悪質です。

 写真には撮りませんでしたが、駅前の、特に人通りの多い場所(西口バスロータリー前)のカラーコーンは、誰かに蹴飛ばされたかして横倒しになったまま、歩道に転がっていました。業者は長い間、この案内板を放置し続けているのだと思いますが、雨ざらしになり、泥がついて薄汚れた案内板が路上にごろごろしている姿の醜いこと醜いこと。
 成城にお住まいのみなさんは、こういう汚らしくて邪魔なものが堂々と道に置かれていて、なぜ、平気なのでしょう?

 私は、うちの近くとか、よく通る場所にこんなものが置かれていたら、すぐ自治体か警察に言って撤去してもらいますが、成城学園前なんて仕事で行っただけで、今後また行くことがあるかどうかわかりません。自分とほぼ無関係な町のために、わざわざ時間を使う気はありません。
 成城に行ってもう1カ月近くたっているので、今、どうなっているのかわかりませんが、これを見て「見苦しいなあ。汚いよなあ」と思う住人が一人でもいたら、世田谷区か警察に「撤去してくれ。業者を取り締まってくれ」と連絡してはいかがでしょうか。これじゃ天下の高級住宅地・成城の景観が台無しだと思いませんか。
 成城成城なんて言っても美意識はたいしたことないんですね、なんて皮肉の一つも言いたくなります。ぬあーにが「成城の邸」だ「デザイナーズ」だっての。

 これまで、私は三つの自治体に、こういう不動産業者の違法看板を撤去してくれ、剥がしてくれと連絡し、日頃、どのような対策をとっているのかも聞きました。過去のエントリーに書いたことと重複しますがまとめると、

 A市 不動産業者の違法看板を見つけ次第撤去するため、専任の職員が毎日車でパトロールしています。市民から撤去してくれと連絡があれば、もちろんすぐ剥がしに行きます。剥がした看板は役所に持ち帰り、業者に取りに来させて注意しています。

 B市 外部の業者に委託して週に3日、市内をパトロールして、違法看板を見つけたら撤去しています。市民から連絡があれば、パトロール日に優先して剥がしに行きます。剥がした看板は役所に持ち帰り、業者に取りに来させて注意しています。

 C市 定期的なパトロールはしていませんが、道路課の職員はしょっちゅう市内を移動しているので、そのときに違法看板を見つけたら撤去しています。もちろん、市民から連絡があれば剥がしに行きます。また、剥がした現場で直接、業者に注意するようにしています。

 というものでした。
 世田谷区がこの問題についてどんな対応をしているのか知りませんが、違法看板なのだから「撤去してくれ、剥がしてくれ、業者を指導してくれ」と言えばやってくれます。「これって、行政に言っていいことなのかな」と躊躇する必要はありません。A市のレベルかC市のレベルかはわかりませんが、いずれにしろ「連絡すれば撤去してくれる」のは間違いないはずです。

 不動産屋の違法看板については、現時点ではどちらかというと「屋外広告物条例違反」として、行政主体の取り組みになっているようなので、平日なら役所に連絡するのが一番です。リンク先は東京都の屋外広告物条例のページですが、他の自治体にも似たような条例はあるでしょう。

 休日の場合は最寄りの交番に行き、同じように撤去と業者への注意をしてくれるよう言えばやってくれます。残念ながら、なかなか話が通じない警察官もいるので、自治体に言うよりもう少し熱心に「軽犯罪法違反、道路交通法違反なんだから、これも警察の仕事ですよ」と粘らないといけないケースもありますが、たいして面倒なことでもありません。

 こんな看板をなくして、すっきり歩きやすい道路にしたいと思いませんか。
 つーか、そもそも、誰の許可でこがいなもん置いとるんやワレ~! という話なのです。

カテゴリ:景観
1年間で剥がした違法看板は1万5000枚!
 またまたまた、不動産屋の違法看板について書きます。

 ある日の午後、自転車でとある市のとある道路を通りかかったら、どこまで行っても汚らしい不動産屋の看板だらけ。1kmほど続く道の電柱や道路標識、街路樹に、見苦しい看板がベタベタと貼り付けられ、それはひどい有様になっていました。
 こりゃ~凄まじいと思い、その市の役所の電話番号を調べて連絡。ちなみに、このような違法な屋外看板問題は道路行政の範疇なので、たいていは建設部道路管理課とか、そんな名称の部署が担当しています。

 私が場所を伝え、「あまりにもひどいので、剥がしていただけますか」と言うと、職員から「わかりました」との返事。これは私の住んでいる市でも同じです。今回のように、地元以外の自治体にも何度か電話したことがありますが、どこでも言えばちゃんと対応してくれます。

 ただ、このときの職員は「今日中には剥がします」と、やけに素早い対応を約束してくれました。「そ、そんなに早く可能なんですか?」と聞くと、「実は去年から、違法看板パトロールの専任職員を置いてるんですよ。車で市内を回って違法な看板を見つけ次第剥がしてますし、市民から連絡があればすぐに行きます」とのこと。私は「そこまで対策に乗り出しているのか」とびっくりしたので、少しだけ話を聞きました。

 その市では、パトロールを始めて去年1年で、約1万5000枚の違法看板を剥がしたそうです。内訳まで聞きませんでしたが、「景観を乱し危険な『不動産屋の捨て看板』」に書いた東京都の除去キャンペーンの結果から見れば、ほぼ100%が不動産業者の案内板と見て間違いないでしょう。
 1年で1万5000枚といえば、専任職員の稼働日がきりのいいところで250日として計算しても、1日あたり60枚になります。職員は「基本的に毎日パトロール」という言い方をしていたので、実際の稼働日はもっと少ない可能性があるし、専任職員がフルタイムの常勤とは限らないので、本当にパトロールをしている時間はもっと短いでしょう。そうすると、1日あたり70枚、80枚もの不動産屋の違法看板を剥がしまくっている、という計算になります。一つの市でこれは、すごい数です。

 職員は、「剥がした看板は市役所に持ち帰って、業者に取りに来させます。そのときに『これは違法行為なので、今後はやめるように』と注意しています」と説明してくれました。これも、私の想像よりしっかりした対応。せいぜい電話で注意する程度のような気がしていたので、思ったより対策に乗り出しているんだなあという印象です。

 それでも、不動産業者の違法看板や案内板は増える一方です。職員は「呼んで注意をすれば、その業者は『わかりました、すいません』と、貼り紙をしなくなるケースも多いんですよ」と言い、当面はそのような対応を続ける方針のようでした。でも、時間がたてば何食わぬ顔で同じ場所に貼り紙をしたり、別の場所に貼り出したり、同じ場所に別の業者が貼り紙をしたりの繰り返しというのが、不動産屋の違法看板の現状です。
 私は「いくら呼びつけて注意しても、基本的にはいたちごっこですよ。都の屋外広告物条例にはちゃんと30万円以下の罰金とあるのですから、できれば注意で終わらせるのではなく罰則を適用して、厳しく取り締まって欲しいです」と要望を伝えて電話を切りました。

 この件に限らず、どうしても日本の行政(つーか日本人全体)は前例主義だけで物事を動かそうとするので、「条例で罰金と決まっていても、実際に適用した例がないからなあ」という、わけのわからない理由で規制に及び腰になりがちです。
 実際に規制を強化するには親分である都や警察、他の自治体などと面倒な調整が必要になるのでしょうが、もうそんなことを言っていられるような状態ではないと考えて、前向きに動いて欲しい。なんといっても自治体自らが専任のパトロールを置いているほどなのだから、不動産屋の看板まみれの町並みを見て「こりゃ、ひどい」と認識しているはずなのです。

カテゴリ:景観
不動産屋の違法看板は交番へ届けることにしました
 また、「音」の問題から少し離れて、不動産屋の違法な捨て看板、案内板の問題について書きます。

 先日、うちの近くに大量の不動産業者の看板が貼られていました。400~500メートルほどの長さの道路に30枚以上! 電柱という電柱、標識という標識のほとんどすべてがベタベタと、邪魔で見苦しい案内板だらけになっていました。中には、私有地であるマンションの敷地内に貼られているものもあって、本当に悪質です。

 私はいつもなら、剥がした看板を自宅に持って帰り、そのままゴミとして出しますが、このときはちょっと考えて、自転車で数分のところにある交番へ持って行くことにしました。
 交番で警官に山のような案内板を見せながら、「今のところ、警察が『実際に貼り紙をしている現行犯』でなければ対処するつもりがないというのは、以前聞いたことがあるので知っています。でも、一人で剥がしてそのまま捨てても、いたちごっこになるだけでなんの意味もありません。これからは、近くで剥がした看板は、できるだけこの交番に持ってくるようにします。いいですね」と話をして了解をもらいました。

 こういう看板には、業者の名前も電話番号も書いていないもの、どちらかは書いてあるもの、どちらも書いてないものがありますが、少なくとも電話番号が書いてあれば「えーかげんにしとけよ」と警察が業者に電話して、プレッシャーをかけることはできます。「せめて、それぐらいやってくださいよ」と警官に話をしておいたので、ただ持ち帰って捨てるよりは意味のある行為になるんじゃないかと思います(ま、本当にやってくれるかどうかはわかりませんが)。
 カラーコーンの案内板だって、何キロも離れた交番まで持って行くのは無理ですが、数百メートルぐらいなら自転車で運ぶことができます。これこそ自宅に持ち帰っても処分に困るだけなので、これからはどんどん、交番に持って行こうと思います。

 それにしても、なんなんだろうと思います。
 私が住んでいる市では、年に一度「環境美化運動」みたいなことをやっています。そのときは1週間ほど、駅前や商業施設などの前に市の職員や「善意あふれる人々」が仁王立ちして、ハンドマイクで「ごみのポイ捨てはやめましょおおおおーーーー!」「地域の環境を守りましょおおおおーーーー!などと絶叫します。まあ、これはどの自治体でもやっていることなんでしょう。
 年に一度のことなので、私はほとんど遭遇せずに済んでますが、去年はたまたまスーパーの前を通りかかったときに聞かされて、うんざりしてしまいました。

 でもなあ、こんな絶叫で「環境」を汚して平気でいられる神経がわからないのと同時に、「ごみのポイ捨て」は気になるのに、そこら中にベタベタ貼られている不動産屋の違法案内板や、堂々と道路に置いて人の通行を妨害している商店の看板や「のぼり」のひどさについては、まったく「見えない」「気づかない」「わからない」日本人の現実認識いうのは、本当に摩訶不思議です。

 「あんたたちは環境、環境と言うが、環境って何かね?」

カテゴリ:景観
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■プロフィール

Author:S.B
市民グループ「静かな街を考える会」会員S.Bのブログ。日本の街にあふれるスピーカー騒音や絶叫騒音、うるさい接客、醜い景観などの問題について書き綴っています。

下記の「カテゴリ」から、気になるテーマを選ぶと読みやすいと思います。また「ブログ内検索」で検索すると、その言葉の含まれたエントリー一覧が表示されます。

「静かな街を考える会」については、このブログのトップエントリーで簡単にご説明しています。詳しくは「静かな街を考える会」のホームページをご覧ください。

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