「AMENITY」30号の感想その2
●「なんでも商機の日本」
「あれ買って! これ買って!」の絶叫がひどくなる一方なのはどこも同じだと思いますが、私の生活圏で真っ先に思い浮かぶのは、新宿駅の西口です。
西口ロータリーにあるバス発着場の建物にまでヨドバシカメラが出店したため、ヨドバシの店員の絶叫騒音がますますすさまじいことになっています。
バス発着場からロータリに沿って大ガードへ向かう道は、居酒屋や英会話、ビックカメラなどによるチラシ配りがずいぶん増えてしまいました。ここを歩くと、必ず一度は「邪魔だ! どけ!」と怒鳴りつけるはめになります。
大ガードの交差点では、角にできた金券ショップの店員が、キチガイのような絶叫呼び込みを繰り広げています。ハンドマイクを使わずに、あそこまで大きな声で絶叫できる人間を、私は今まで見たことがありません。この金券ショップは、道のど真ん中にサンドイッチマンを立たせて、通行人の歩行も堂々と妨害しています。
さらに交差点の向かいでは、この金券ショップに触発されたか、パチンコ屋まで絶叫呼び込みを繰り広げ始める始末。まさに地獄です。

●「防災行政無線の屋外スピーカ(新宿区の場合)」
この新宿区の事例は、ほとんどの自治体に共通する典型的なものでしょう。
なお、「新宿区は住民をお客様と呼び」とありますが、私の住んでいる市でも同じです。こうした行き過ぎた「お客様社会」「やさしさ社会」の問題点については、社会学者の森真一という人の本が参考になります。書いてあることがどれも腑に落ち、スピーカー騒音や絶叫呼び込み、しつこい(形だけの)挨拶といった問題の一面を理解するのに役立ちます。

●「富岡『騒音』日記」
機動隊はもちろんのこと、反原発だろうがなんだろうが、拡声器でがなり立てる連中のいるところに私は行きたくないし、そんな連中と一緒にされたくもありません。

●「セシウム災害から避難して新たな拡声器音災害に遭遇」
この原稿は、筆者のホームページにも掲載されています。それにしても、「各戸に屋内スピーカーを配して、強制的に防災無線や町内のお知らせを聞かせる」奈良県の町というのは、まさに刑務所や強制収容所以外の何ものでもないですね。
騒音に耐えきれず配線を切ったり、スピーカーを取り外したりしたら、たちまちのうちに「町民の恥!」「共同体の決まりを守らない反社会的な奴!」と言われ、村八分などの陰湿なイジメが始まりそうな印象を受けました。
「こうした状況の解消は、日本人の成熟を待つしかないのでしょうか」とありますが、日本人は成熟どころか退化している一方ではないでしょうか。「刑務所から脱獄」する気もなければ、「釈放される日」もまったく望んでいないのが日本人。刑務所で暮らし、なんでもかんでも指示されながら生きるほうが安心・安全、極楽に生活できると思っているのでしょう。

●「役に立たなかった防災行政無線のその後」
こうして、東日本大震災の被災者自身が「防災無線は、いざというときになんの役にも立たなかった」と明言しているのに、ますます拡充される一方の防災無線やJ-アラートといった無駄な設備……。

●「鹿児島市防災行政無線計画の経過について」
鹿児島市の職員の(防災無線新設計画について、近隣住民への説明会は? という質問に)「その必要がありますかね!」という高圧的な態度には、とてつもなくそら恐ろしいものを感じます。
鹿児島市では、とりあえず「1日1回、夕方にメロディを流す予定」だそうですが、いつ、「今日も元気に働きましょう!」「子どもたちを見守りましょう!」といったおせっかい放送が始まるかはわからないでしょうね。

●「八女市の防災無線についての質問」
その中で、防災無線の新設ではなく、ラジオ兼用の屋内受信機の配布を決めた八女市の考えはすばらしいですね。
ただし、このラジオ。「緊急時には自動的に電源が入るタイプ」ということですが、何をもって「緊急時」と考えているのか一番の問題でしょう。「●●一丁目で火事が発生しました!」「振り込め詐欺が発生しました!」「本日は選挙の投票日です!」など、どんなことでも「緊急」だと恣意的に判断して、絶え間なくおせっかい放送を聞かせ続けることも十分に可能。「自動的に電源が入り放送するのは、災害による避難命令が発令されたときだけ」というように、厳格に「緊急時」の定義を決めておかないと、ろくでもないことになる一面も抱えているような気がします。
まあ、ラジオですから「こんなものいらない」と考える人は電池を抜いておけばいいのでしょうし、そもそも八女市の住人でもない私があれこれ心配する必要もないのでしょうが。

●「九州の片隅から」
「『防災無線・放送はイザという時には役に立たない』ということに人々が気づいたのではないか」とありますが、残念ですが、私にはとてもそうは思えません。「今までの防災無線では役に立たないから、もっともっと設備を整え、強制的に聞かせろ!」と、人々がますます過剰に要求する流れになっているとしか思えません。
西鉄電車のアナウンスですが、去年、西鉄大牟田線の特急に乗ったとき、そのあまりの音量の大きさに驚きました。駅ごとに広告を放送する福岡市営地下鉄の車内アナウンスもひどかった!
福岡で天神の町を少し歩きましたが、商店街で流されるBGMも非常に大音量で、そこかしこの店から響く大絶叫の呼び込みもすさまじく、10分ほどうろうろしただけで疲れ果て、苦痛しか残らなかったのが残念でした。
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Author:静かな街を考える会 別館
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