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ただ「聞かない態度」を養うだけの防災無線
 たとえば、1年ほど前にこんなことがありました。
 京王線調布駅前の喫茶店でコーヒーを飲んでいると、外から「ぼひらわぁじょうふじやくじょでずう。ごどおだぢがぎあうすうじがあんどなりまじだあ。じゅういのおどなはびばぼっでぐだざい」というような、くぐもった声が響いてきたのです。

 実際に聞こえてきたのは「§∥〃♂〆※★―~♪◇¶●》@♭〓」という、ただの解読不能な音。午後1時過ぎという時間や音量から、「どうせ、防災無線の『子供を見守れ放送』だろう」と判断しただけです。
 正確な文言もわからないし、大人の声なのか、それとも、この手の放送によくある、わざわざ子供に録音させた「私たちを見守ってください」という薄ら寒い(子供の人権や自尊心を無視した)放送なのかも判別不能でした。

 不思議なのは、こんな「正体不明の大音量放送」が聞こえているのに、店内にいる人間が誰一人、気にも留めていなかったことです。
 このとき、店の中には30人ほどの客がいました。私は不気味な音が響いてきたので、読んでいたエロ本から顔を上げ、うんざりした気持ちで「なんだろう」と注意を向けましたが、周囲を見る限り、ほかにこの放送を聞き取ろうとしている人は皆無。
 放送が始まる前と同じようにスマホをいじったり、書類を見たり、連れ合いとしゃべったり、イヤホンで耳を塞いだりしているだけ。「なんの放送? よく聞こえないけど何か起きたの?」と話題にしている客もいません。
 もちろん、放送内容を確認するためにわざわざ店を出る客など、いるわけがありません(もちろん、私もそんなバカなことはしません)。
 誰もが無関心なだけです。

 「市民全員(正確には『そのとき、市内にいる人間一人残らず』)に、この放送を聞かせてやる!」と、大音量で喚き散らす防災無線の放送。でも、この喫茶店のように「何かを喚いているのはわかるが、なんと言ってるのか聞き取れやしない」場所で、その放送に注意を向け、積極的に理解しようとする人はいません。
 オフィスビルや商業施設など、もっと防音のしっかりした屋内にいれば、そもそも放送はまったく聞こえません。
 その反面、路上や自宅にいると、そのとき何をしていても、何を考えていても(仕事に集中していようが、頭が痛くて寝ていようが、堀北真希食ったなんとかいう俳優許さねえちくしょうと転げ回ってようが)、耳をつんざく大音量で無理やり放送を聞かされます。
 なんとも理不尽で、ただの無意味な騒音でしかないのが防災無線です。

 10万人、20万人という人間に、一斉に「これを聞け、こう行動しろ」と強要するような放送は、よほどの緊急事態に限られるべきです。
 時報だの、音楽だの、子供を見ろだの、子供は帰れだの、振り込め詐欺にひっかかるなだの、バザーをやるから来いだの、狂犬病の注射に行けだの、納税しろだの、水を飲めだの手を洗えだのと(ほんと幼稚だね)、緊急性ゼロの放送を日々垂れ流しているから、「なんか放送してたみたいだけど、なんだっけ? まあいいや」という「ロバの耳」が、無意識のうちに出来上がってしまう。
 路上で防災無線の放送を聞かされると、私は耳を塞いで我慢しますが、目の前で井戸端会議をしている主婦などは、何食わぬ顔でケタケタケタケタ会話を続けています。おそらく、この人たちに「今、防災無線から何を放送してたかわかりましたか」と聞いても、「えっと、なんだっけ?」という答えしか返ってこないんじゃないでしょうか。
 こうして、立派なロバの耳が鍛え上げられるわけです。

 真面目に放送を聞く(聞いてしまう)人ほど「うるさい!」と腹を立て、無関心な人間にはなんの影響も及ぼさない。こんな放送が町中に、当たり前のように鳴り響いている国というのは異常です。
 防災無線などという無駄なものに費やす時間とコストを、実際に災害時に使う避難所を整備したり、食料を備蓄したり、老人を集めて振り込め詐欺被害防止の講習会を開いたりという具体策に振り分ければ、少しは現実的な効果も積み上げられるだろうに、ただ無闇に喚き散らして「何を言われても聞かない態度」を養うために奮闘している。
 日本の「防災政策」なんてアホの極みです。
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Author:静かな街を考える会 別館
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