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「ヤマザキ春の騒音祭り」始まりました!
 なんだかんだとバタバタで、このブログを更新する余裕がありません。今回も、人様の著書で拡声器騒音について書かれた箇所を紹介します。帯広畜産大学教授(哲学)・杉田聡氏の『「日本は先進国」のウソ』から。

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日本中に氾濫する音、音、音

 《註:第一章「環境後進国としての日本」の》最後に一点だけ、温暖化および交通問題を離れて記す。

 日本を先進国と呼ぶことをためらわせる最大の理由の一つが、町中に氾濫する人工音である。道を歩けば街頭放送、建物に入れば、レストランだろうと喫茶店だろうと、当たり前のように流されるBGM。スーパー・量販店では大音響で商品の説明やポップスが鳴り響き、列車に乗れば、くり返される車内放送のために読書さえままならない。飛行機・駅の待合所ではテレビが四六時中つけられ、空港バスに乗ればこれがサービスだとばかりにラジオ放送が流れるのである。郵便局でも音、病院でも音、ホテルでも音。

 多くのヨーロッパ人が日本で一番驚く現象の一つがこれである。ヨーロッパ人は、静けさという文化的価値を非常に大事にする(暉峻八九年、二五~二六頁)《註:『豊かさとは何か』暉峻淑子》。だが、日本では全くこれがないがしろにされている。日本を覆うこの鈍感さは、にわかには信じられない。しかも、経済的な価値を持つなら(そう信じられるだけでも)、音を発生することに対して、日本社会は奇妙なほどに鷹揚なのである。

 だが音は暴力である。なぜならば音は、有無を言わさずに人の聴覚を襲うからである。見たくないものがあれば、人は目をふさぐことができる。かぎたくない臭いなら、かがずにすますことができる。けれども私たちの耳は、自在にふさぐようにはできていないし、手で覆っても、音を完全に遮断することはできないのである。

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 ま、これだけなんですけど。

 この本は環境、労働、男女平等、教育、政治について数多くのデータを挙げながら、他の「先進国」と比べ日本がいかに遅れた国であるかを論じています(だから、新書としては数字やグラフが多い)。
 客観的なデータを示しながらも、他国との比較で「日本はとても先進国とは呼べない」と指摘する杉田氏の論調は、かなり過激なところがあるので、最近流行の「日本人は凄いんだよ! 日本を貶める奴はただじゃすまさねえぞバカヤロウ症候群」にかかった人が読んだら、確実に目ン玉ひんむいて腹を立てるだろうなあ、という内容です(笑)。

 私なんかは別に日本が「先進国」であろうが「後進国」であろうが、そんなことはどうでもいい。そもそも「先進国」と「後進国」(これは差別用語になるので「発展途上国」と書けとATOK様が仰ってますが、「発展」しなかったらどうするんだ?)という区分けは、他国に対して失礼だろうとすら思います。
 この本で指摘された問題についても、興味があるところがあればないところもある。そのとおりだなあと思うところがあれば、それはどうかねーと感じるところもある、というただそれだけなんですが、もちろん、スピーカー騒音についての指摘は「そのとおり」です。

 例えば先日、スーパーに買い物に行きました。家から一番近いそのスーパーは、店内のBGMやスピーカーからの宣伝放送があまりにもけたたましくて、一番近くにあるにもかかわらず、普段は行かないことにしている店です。
 でも、冷蔵庫の中が空っぽになってしまったのに外はどしゃぶりの雨。遠くの「少しはまともに買い物ができるスーパー」まで行くのも面倒臭い――というその日、仕方なく1年ぶりぐらいでこの店に行きました。行って10分で耐えられず帰ってきました。
 店で出迎えてくれたのは、こんな「音」です。

ヤマザキ春のパン祭り.mp3

 パン売り場の棚に液晶モニターが付けられていて、松たか子が出ている「ヤマザキ春のパン祭り」のCMがエンドレスで流れ続けています。パン売り場にいる限り、「こんな感じで、こーんな感じ。いろいろ使える白いモーニングセット。必ずもらえまーす。ヤマザキ春のパン祭り! 始まりました」という松たか子の声を、15秒ごとに何度も何度も繰り返し聞かされるわけです。
 同時に録音されているのは、店内BGMの「うれしいひなまつり」。これだけでもかなり耳障りだというのに、ひな祭りとパン祭りが合わさって何がなんだかわけのわからない音環境になっています。ひなあられとパンを一緒に食えとでも言うんでしょうか。それはいったいお口の中が何祭りなんでしょうか。

 液晶モニターがあるのがパン売り場だけなら、まだ我慢のしようもありますが、このスーパーはほとんどの売り場に一つ、二つは液晶モニターが設置されているので、どこにも逃げようがありません。ラジカセなら「うるせえ!」とぶつぶつ言いながら音量を下げたりスイッチを切ったりすることもできるけど(周囲の目なんか関係ない)、液晶モニターはつるっつるでどこにもスイッチが見当たらない。だからなおさら不愉快です。

 私が不思議でならないのは、例えば普通、自宅でテレビを見ているときに、同じ内容のCMを繰り返し繰り返し流されたら、2回目か3回目には「もう見たわ!」「うぜえなあ」と思うはずだからです。それなのにスーパーやホームセンターなどで同じことをされても、誰もなんとも思わない。パン売り場に1分いるだけで4回、3分いれば12回も「必ずもらえまーす」と聞かされるような環境に、どうして客も、店員も「やかましいわボケ!」と腹を立てないんでしょうか。

 映像だけなら、別にかまわないと思います。街頭の大型ビジョンなどは別として、スーパーの棚の小さなモニターぐらい、目に入っても興味がなければ視線を外せばいいだけ。「松たか子って、絶対、ほんこんか千原せいじの女装だよなあ。ま、そんなことより買い物買い物」と、見る見ないを自分で決めることができるからです。
 しかし、音はいかん、音は。

 もうずいぶん前から、JRの電車がドアの上に液晶モニターを設置して、ニュースや天気予報、企業のCMなどを放送するようになりました。あれを映像だけにしているのは、「音声まで流すと乗客の迷惑になる」という最低限の判断があるからでしょう。
 私がかなり本気で心配しているのは、これがそのうち、音を出すようになるんじゃないかということです。昔、JR(だったと思う)が、車内でプロ野球の試合結果をアナウンスするというバカげたことを始め、「そんな放送はうるさいだけだ」と反発をくらって中止したということがありました。
 しかし、今は当時よりさらに世の中が「音に寛容になり過ぎ」ています。

 駅や車内に限っても、聞かせてくれと頼んだわけでもない音楽を「駅メロ」と称して無理やり聞かされる。すでに煙草を吸っている人を見かけることなどないのに、いつまでも「ホームは禁煙です」とアナウンスを流し、駅のコンコース全体に「エスカレーターをご利用の際は、ベルトにおつかまりください」と放送し続ける。
 「ごはんのまえにはてをあらいまちょうね」と、幼稚園で保母が園児に言って聞かせるような放送を毎日毎日強制されているのに、誰も怒らないということです。
 どれだけ広告を押しつけられようが、幼稚な放送を垂れ流されようがなんとも思わない人、それどころか駅メロの氾濫のように「もっと私を楽しませてよ!」と際限なく要求する人が増えていけば、そのうちドアのモニターから音声を出すようになってもおかしくない。確実にそういう気がします。

 話がJRのことになってしまいましたが、先日、仕事で朝日新聞のデータベースを検索していたら、衝撃的な(というか笑ってしまうような)記事を見つけました。

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「静かな駅 期待してください」 駅長さんら前向き姿勢 市原でシンポ

 駅で繰り返される案内放送や発車予告ベルなどが騒音として問題になっているが、13日午後、市原市姉崎の姉崎ロイヤルホテルで市原ロータリークラブ(山田守会長)主催の「静かな駅・シンポジウム」が開かれ、地元の田村士朗JR五井駅長、渡辺和也同姉ケ崎駅長や小湊鉄道の岩瀬明光鉄道部長らを囲んで活発な意見が交換された。駅長らは「音をなくす努力をしているが、これからも期待してもらいたい」と前向きの姿勢をみせ意義のあるシンポジウムになった。

 シンポジウムに先がけ、昨年夏から発車予告ベルを廃止して全国的に話題となったJR千葉駅の板倉義和駅長が体験を話した。板倉駅長は「予告ベルをなくし、駆け込み乗車による階段でのけがが皆無になった。発車直前のドアに傘や足などを入れて無理に乗車する人も少なくなり、いま思うとベルは駆け込み促進機だった。ドアの件についても、駅側がお客様のマナーを悪くする環境を作っていた」などとベル廃止の効用を話した。

 シンポジウムでは、小宮徳次郎同市教育委員が西ドイツで生活した話などを引用して「良い音の中で育たないと、荒っぽい人間になる」などと話した。商工業者代表の小出善三郎市原商工会議所会頭も「音だけではなく、乗用車などについても、ないことの快適さを考えて良い時期。市原市役所は鉄道の便がない場所に建設した。車のない人は来るなと言っているようなものだ」などと町づくりの話にまで発展した。

 シンポジウムは当初の予定時間を大幅に上回り、予告ベルは「必要悪で、なくなると寂しくなる」などの擁護派の発言も飛び出し、白熱した議論が展開された。しかし、板倉駅長が「利用者のアンケートによると、自分が必要としない音は公害だ、という意見が強いようだ」などと最近の利用客の傾向を話した。

静かな駅 期待してください.jpg

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 これは、1989年12月14日の朝日新聞朝刊・千葉版の記事です。
 各駅長をはじめとするシンポジウム出席者の発言も、それをまとめた記者の文章も、「駅はなるべく静かなほうがいいよなあ」というニュアンスで貫かれています。
 <駅で繰り返される案内放送や発車予告ベルなどが騒音として問題になっている><「音をなくす努力をしているが、これからも期待してもらいたい」と前向きの姿勢をみせ意義のあるシンポジウムになった><ないことの快適さを考えて良い時期><自分が必要としない音は公害だ>……。
 今、読むと「これはいったい、どこの国の話だろう」と、思わず遠くを見る目になってしまいます。

 もう一つ。東京新聞2001年4月29日の紙面から。

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 人気グループ、サザンオールスターズの桑田佳祐さんの出身地・神奈川県茅ケ崎市のJR茅ケ崎駅でサザンの曲を流してもらおうと、同市の市民グループが二十八日、市民の人気投票結果を発表した。

 グループは地元商工会議所のメンバーら。三月中旬から約一カ月間、市役所など約百カ所に投票用紙を置いて駅にふさわしい曲を一人一つ書いてもらった。

 一位は「希望の轍(わだち)」、二位は「TSUNAMI」、三位には「勝手にシンドバッド」。これら六曲を駅で流すよう、JR東日本に申し入れる。同社は「市民すべてがファンというわけでなく実現は難しいかも」と困惑気味だ。

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 <「市民すべてがファンというわけでなく実現は難しいかも」と困惑気味だ>……このコメントのような考えは、どこへ行ってしまったんでしょうか。たった十数年で「こんな感じで、こーんな感じ」に様変わりです。

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JR茅ケ崎駅、巡る巡るサザン 発車メロに「希望の轍」

2014年9月25日08時20分

 サザンオールスターズの桑田佳祐さんの地元・茅ケ崎市で、JR茅ケ崎駅の発車メロディーに、10月からサザンのヒット曲「希望の轍(わだち)」が採用されることになった。2000年に行われた里帰りライブ「茅ケ崎ライブ」以来の地元の悲願。昨年、桑田さんに市民栄誉賞を手渡した服部信明市長は「市民の熱い要望が実った。住む人や訪れる人に、より茅ケ崎に愛着を持ってもらいたい」と歓迎した。

 「希望の轍」は、1990年の「稲村ジェーン」の収録曲で、サビに「遠く遠く離れゆくエボシライン」などの歌詞が盛り込まれている。茅ケ崎沖の名勝、えぼし岩を望む国道134号の風景を想起させる市民の愛唱曲だ。

 さらに「茅ケ崎ライブ」で1曲目に歌われたことから、「発車メロディーを『希望の轍』に」との要望が沸騰。昨年、活動を再開したサザンが13年ぶりに行った凱旋ライブでもエンディングで歌われたことから再燃し、今年6月からは茅ケ崎商工会議所青年部が署名活動を行っていた。

 9月初めまでには賛同が1万人を超え、青年部の原和則会長は「感無量。街頭に立つと『署名をしたい』と待っている人までいて、こんなに楽な署名活動はなかった」と振り返った。

 東海道線の1日始発から使用が開始され、上りはイントロ、下りはサビのメロディーが流れる。また、当日午前10時から、駅構内の観光案内所で、500円以上の商品購入者に先着330個限定で缶バッジも配られる。(足立朋子)

茅ケ崎駅サザン発車メロディー.jpg

http://www.asahi.com/articles/ASG9S35FMG9SULOB008.html

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 ちなみに、記事の下に出ている「駅メロ」関連のリンクもこーんなにあります。

・発車メロディ-、軽快な阿波踊りに JR南越谷駅(8/10)
・新横浜駅発車ベルにマリノス応援歌 市営地下鉄(7/9)
・「うなりくん」でGO! 成田駅発車メロディーに(7/2)
・シーサイドライン、駅メロに小田和正さんらの曲(6/28)
・駅メロは銀河鉄道999 JAXA拠点最寄り駅(6/10)

 もう、頭がくらくらしてきます。なんでそこまで、人様に「この音楽を聞け」と強要するのかねえ。
 記者の書き方一つとっても、「人と同じものを喜ぶのは当たり前」と言わんばかりで、想像力の欠如や同調圧力の強さしか感じられません。やっぱり、これからこの国は、ますます「こーんな感じ」になっていくんでしょうか。こーんな感じって、なんなんだ。「うなりくん」なんて知らねえよ!
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Author:S.B
市民グループ「静かな街を考える会」会員S.Bのブログ。日本の街にあふれるスピーカー騒音や絶叫騒音、うるさい接客、醜い景観などの問題について書き綴っています。

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