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どいつもこいつも違法行為ばかりの政治屋
 衆議院議員選挙が始まって1週間経ちました。今のところ、公示後に選挙カーでうちの周囲を連呼して回ったのは、共産党と民主党の候補者が3~4回ずつ。特に民主党の候補者は、うちの前に車を止め、住宅地の路上で演説までしやがりました。あ、ここまで書いたら社民党の選挙カーが回ってきた。

 それでも、「当分は毎日毎日、朝から晩まで、入れ替わり立ち替わりの連呼や演説に悩まされるのか」と覚悟していたわりに、それほどひどくないのでいい意味で拍子抜け。衆院選はいつもこんな感じだったかどうかよく覚えてませんが、このまま選挙が終わってくれ、と祈るような気持ちでいます。

 うちの周囲は選挙が近づくと、公示前から共産党やその関連団体(共産党後援会や東京土建)が、車や徒歩で演説をして回ります。公示後の選挙カーからの連呼より、むしろそちらほうがうるさいくらいですが、今回は急に決まった選挙のためか一度しか姿を現しませんでした。
 まあ、私は住宅地に住んでいるからなんとかやり過ごせているだけで、これが駅前だったら、今頃は毎日の街頭演説で生活がズタズタにされていたでしょう。

 日本の公職選挙法は、演説だろうが連呼だろうが、要するに「人様の家や職場の前で、政治屋や政治団体が拡声器を使ってギャーギャー喚き散らすこと」を認めてしまっているから、「やめろ」と言っても通りません。有権者が「頼むから静かにしてください」と涙を流して「お願い」するしかないし、それを聞き入れるか聞き入れないかは政治屋次第。這いつくばって「お願い」したとしても、大抵は「連呼や演説は民主主義の根幹なのだ、表現の自由なのだ!」などと言って突っぱねてくるだけなのが現実です。
 「表現の自由」と「表現する手段の自由」を混同しているアホに、何を言ってもしょうがないのでしょう。

 選挙カーからの連呼や街頭演説に「うるさいからやめてくれ」と言うと、政治屋は「公職選挙法で認められているのだ!」とも言ってきます。確かにそれは事実です。でも、明らかに違法であるにもかかわらず、大手を振ってまかり通っている選挙違反行為もあります。
 以前のエントリーで書いた、東京都議会議員・山内あきら(山内晃)の演説が代表的な例です。

 この山内あきらという政治屋は、品川区議会議員だった2013年1月29日の夕方、東急池上線戸越銀座駅前で「夕方のご挨拶」をしていて、私はたまたまその場に出くわしてしまいました。演説の内容は、以前のエントリーに音声ファイルをUPしていますがこんな感じ。

 「自民党の品川区議会議員の3期目を務めております山内あきらでございます。この6月に行われます東京都議会議員選挙に、自民党からの公認をいただき挑んでいく所存でございます。よろしくお願いを申し上げます」

 録音した音声以外にも、「大変厳しい選挙戦になっておりますが、ぜひ、みなさまのお力添えをお願いいたします」「どうかみなさまのご慈悲で、私を都議会へと送り出してください!」などと繰り返し叫んでいました。

 この演説をしていたのは1月で、都議選が予定されていたのは6月。つまり、実際に選挙が行われる半年も前から「私を都議会に送り出してください」と「選挙運動」をしていたわけです。

 その後、私が住んでいる市の市長選挙でも、共産党の立候補予定者が告示の1カ月以上前から、選挙カーと同じ車を走らせながら連呼行為をしたり(「連呼」は告示後でないと認められない)、「今回の市長選に立候補いたします、共産党の●●です!」と演説したりしていました。
 最も悪質なのは、この立候補予定者が商店街で同様の演説をしているとき、横に同じ共産党の現職市議会議員がいて、一緒に「来月の市長選では●●さんに1票を投じ、明るい市制を託しましょう!」などと演説していたことです。

 私は公職選挙法を調べ、第百二十九条に<選挙運動は(中略)候補者の届出のあった日から当該選挙の期日の前日まででなければ、することができない>と書いてあるのを確認して、東京都の選挙管理委員会に電話で問い合わせました。

 「選挙運動というのは、告示の日から投票日の前日までしか、してはいけないんですよね」
 「そうですね」
 「選挙運動には街頭演説も入ると思いますが、(山内あきらや、共産党の市長選候補者が告示前に言っていた言葉を、できるだけ忠実に再現)こういう内容の演説はどうなんでしょうか」
 「違法ですね」
 「もう一度確認しますが、告示前に街頭演説で『特定の選挙に出馬すると意思表示をする』『自分に投票して欲しいと依頼する』のは、公職選挙法違反ということですね」
 「はい、選挙というのは告示や公示があって『ヨーイドン』でスタートするものですから違法です」

 ここまではいいのですが、問題はそれから。

 「でも、実際にはこういう違法な演説を、どの政治家も平気でやってますよね。朝立ち(ああ、イヤラシイ……)とかなんとか言って駅前で演説する政治家は、特に選挙が近づくと立候補の表明や投票依頼を繰り返してるじゃないですか。なんでそれを公職選挙法違反で摘発しないんでしょう」

 私が質問しても、職員は「そうですねえ……」と言ったきり無言のままでした。

 まあ、理由は簡単。「演説の内容は証拠が残らず、摘発しようがない」からでしょう。
 現に、今回の衆院選でも数百に及ぶ公示前の違法行為が警告されていると新聞の小さな記事で読みましたが、その99%が「違法な場所にポスターを貼る」といった文書図画に関する違反だそうです。

 「見ればわかる、証拠が形として残る」文書に関する違法行為なら警告する(できる)。でも、違法な演説は警告しない(できない)。それは「音」というのは形が残らず証拠が見つけられないから。証拠が残らないから政治屋どもは、わかりゃしないと高をくくって違法な演説を繰り返すんでしょう。
 いや、もしかすると、公示・告示前に「選挙に出る」「自分に投票しろ」と演説するのは違法行為だと知らないのか?
 前者なら悪質だし、後者ならただのスカポンタンということです。

 私は念のため、市の選挙管理委員会と、所轄警察署の選挙対策本部にも同じ質問をしたのですが、返事は同じ「公職選挙法違反ですね」でした。
 その上で「我々も手が足りません。そのような違法行為を見かけたら、積極的に連絡してくださると助かりますよ」などと言ってくるので、「連絡したら摘発するんですか?」と聞くと「いやあ……」と口を濁すだけというのも都の選管と同じ。
 なんなんだあんたらは、と苦笑するしかありません。

 今回の衆院選に関する中日新聞の記事

違法な事前運動.jpg

 ここには、<中部地方の複数の立候補予定者は、個人名を書いたたすきをかけて街頭に立った。公選法違反の可能性が高いが、ある陣営関係者は「選管から文句を言われたことがない。分かってやっている部分もある」と声をひそめる>とあります。

 こんな「脱法選挙」に血道を上げる連中が「日本の未来を築きます!」みたいなことを叫んで、何かいいことでもあるんでしょうか? 私にはよくわかりません。 どうせ当選したって「やっと議員になれたんですぅ~!」と泣き叫ぶか、SMバーに行ったり(ちょっとうらやましいな)、ジジババに芝居を見せたりして買収するだけでしょ。
 この記事の下の囲みには、違法な選挙運動についての簡単な解説も付いてます。<選挙期間外に、特定の選挙での投票を依頼する演説や文書の配布をしたり、立候補予定者が街頭などで自身の名を書いたたすきをかけることはできない>のです。

 これは、たまたま見つけただけで今回の衆院選には関係ありませんが、来年の北海道議会議員選挙に出馬すると表明している元衆議院議員・あさの貴博(浅野貴博)のブログ
 毎日のように朝7時半からやっているという街頭演説の予定が載っていますが、驚いたのは必ず<見かけたら声をかけて下さいね!お車からクラクションでの声援も大歓迎です!!!>という決め台詞が書いてあることです。

あさの貴博のブログ.jpg

 えっと、クラクションをむやみに鳴らしてはいけないというのは常識だと思うのですが。車の運転をしない私でも知っていることで、道路交通法第五十四条に<車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない>と明記され、これに違反すると第百二十一条で<二万円以下の罰金又は科料に処する>と書いてあります。

 あさの貴博というのは、そんなことも知らないんでしょうか。「おやびんおやびん、『クラクションを鳴らすの大歓迎』はまずいでやんすよ~」と指摘してくれる取り巻きはいないんでしょうか。
 こんな誘いにうっかり乗ると、警察に2万円お納めすることになる可能性もあるので、用心したほうがいいですねー。

 この「朝7時半から街頭演説をしている」と自慢気に書いているブログを見て、「そういえば、通常の政治活動での街頭演説って、何時から何時まで許されてるんだろう」と改めて疑問に思いました。
 選挙期間中の演説や連呼は、公職選挙法で朝8時から夜8時までと決められていますが、それ以外の「政治活動」における演説は時間の縛りがなさそうだったからです。
 公職選挙法に何も書かれていないのを確認して、都の選管に電話で聞いてみると「通常の政治活動における街頭演説は、時間に決まりがありません。何時でも可能です」という返事。
 やっぱりそうなんだ。

 朝7時台、6時台という早朝、あるいは夜の9時過ぎといった遅い時間でも、街頭でハンドマイクを持って喚き散らすことが自由にできてしまう日本の政治活動。理屈の上では夜中の2時、3時でも演説が可能です。
 これがまともな国の制度とはとても思えません。
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