ますます増える防犯カメラにうんざり
 町がますます防犯カメラだらけになるようです。昨日の朝日新聞の記事。

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 全公立小の通学路に防犯カメラ 都内、6500台設置へ

 通学路の安全を守るため、東京都は今年度、都内の公立小学校全1300校の通学路に防犯カメラをつける事業を始めた。2018年度までに6500台を置く。プライバシーに配慮するため、記録の保存期間を1週間程度にとどめる。

 都内では昨年、練馬区で下校中の男児3人が男に刃物で切られる事件などがあり、「20年東京五輪までに治安をよくする」と訴える舛添要一知事が始めた。

 1校の通学路にカメラ5台を置く想定で、全事業費は24億7千万円。費用は都と区市町村で折半する。都は今年度、260校に設置する予定で、区市町村教委に呼びかけている。カメラは各小学校か区市町村教委が管理する。

 都の織田博安全・安心まちづくり課長は「防犯カメラ設置ではプライバシーとの兼ね合いが重要」と話す。①「作動中」などと看板で明示する②記録は1週間程度しか保存しない③記録を見られる人を限定する――などの要項を管理側に作ってもらうという。

 都は04年度から商店街、10年度から町内会を対象に防犯カメラ設置を補助する事業を始めている。

防犯カメラ.jpg

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 やれやれです。
 「絶対に犯罪の起きない町」なんて作れるわけがないし、人間がいる以上、多少の犯罪が起きるのは仕方がないことなのに、どうしてここまで過剰な反応ばかりするのでしょう。
 犯罪を完璧になくしたいなら、人間がこの世からいなくなるのが一番でしょうに。なんてったって、人間以外の動物は「犯罪」を起こしませんからね。「犯罪ゼロ」を目指すのなら、さっさと水爆を1000個くらい落として、人類なんて根絶やしにするほうが手っ取り早いんじゃないの?

 舛添のように「今の世の中は犯罪者だらけだ。もっともっと治安をよくするぞ!」なんて、なんの根拠もなく息巻いている人の多いことには驚かされます。
 今の日本が世界に類を見ないほど犯罪が少なく、安心して暮らせる社会であることは、浜井浩一、芹沢一也著『犯罪不安社会 誰もが「不審者」? 』などを読めばわかる通り、きちんと統計的に証明されています。別に社会学や統計に頼らなくたって、ある程度の年月を生きてきた人間なら、世の中がどんどん無菌化されるにつれいいにつけ悪いにつけ、安心して暮らせる社会になってきていることは、十分に実感できるはずだと思います。

 にもかかわらず、たった一つの事件や事故が起きて大々的に報道されると、それがいかに自分の生活とは関係なくても「こんな不安な社会じゃ暮らせない!」と過剰に怯え、監視カメラを増やして(「防犯カメラ」なんて言葉の言い換えがまたイヤラシイ。「監視カメラ」と言いなさい)、「あいつも不審者だ、こいつも不審者だ!」と指摘したがる社会って、いったいなんなんだろう。
 人のことを犯罪者扱いする自分だって、いつ、どこで同じ目に合わされるかわからなくなるんだよな――という可能性には考えが及ばないんだろうか。

 私は監視カメラそのものも嫌ですが、こんな風潮がますます強まって、今以上にさまざまな場所から「注意しましょう! 気をつけましょう!」という防犯放送を浴びせかけられたり、そこら中に注意看板を立てられたりするようになる、そのことのほうがもっと嫌ですね。これ以上、町を音や看板で汚されて、しかもそれが「あいつもこいつも、みんな不審者だぞ!」という、ヒステリックなメッセージだらけになるというのは、とても耐えられません。

 それに、このような監視カメラを増やせば増やすほど、新たな犯罪は増えますよ。断言できます。理由は簡単。
 ・記録を見られる人を限定する
 なんて規則を作ったって、必ずそれを破って記録された映像を見ながら「うひひひひ」と喜ぶ人間は出てくるからです。
 ・記録は1週間程度しか保存しない
 も、守られるかどうか怪しいな。うっかりか意図的かは別にして、「管理ミスで映像が1週間以上保存されていました」なんてことが発覚して、処罰される人だって必ず出てくるでしょうね。

 よけいな監視カメラなんて付けなければよかったのに、付けたばっかりに新たな「犯罪」を生むことになる。きっと5年後、10年後には「うっかりでは許されない! 監視カメラの『盗み見』犯罪が激増!」なんて記事が、テレビや新聞や週刊誌を賑わしているんじゃないかと思いますよ。どうするんですかね。
 そうだ、「監視カメラを管理する人間を監視するカメラ」を取り付けましょう。不審者は絶対に見逃しません!
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カテゴリ:騒音をめぐるあれこれ
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