「静かに笑顔で」商売するアイスクリーム屋
 ビバ! ロンドンのすばらしいアイスクリーム屋さん! 毎日新聞の記事から。

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発信箱:音楽は12秒だけ=小倉孝保

毎日新聞 2014年04月02日 01時23分(最終更新 04月02日 01時23分)

 改造した貨物自動車(バン)でアイスクリームを売るロンドンのジョン・ボナーさん(50)は二つのことに注意している。一つは品質管理。もう一つは騒音を出さないことである。

 バンを止めている間、商売を知らせる放送や音楽を流さず、静かに笑顔でアイスクリームを売る。親を手伝い、11歳でこの商売に入ったボナーさんは言う。「住民にうるさいと思われたら、アイスクリームを愛してもらえなくなりますから」

 英国のアイスクリーム売りにはかつて、にぎやかな音楽がつきものだった。子供たちは、「アルプス一万尺」などの曲を聞いては、胸を高鳴らせバンの前に列を作った。住民からの苦情で騒音規制が強化されたのは1982年。今、音楽は正午から午後7時までの間、商売スタート時の12秒間に規制されている。しかも学校や病院、宗教施設から50メートル以内では禁止だ。

 屋外騒音規制の厳しい英国では、物売りの声を聞くことはなく、政治家やデモ指導者がマイクを握る姿をみることもない。騒音軽減を求める市民団体のリサ・ラビアさん(52)は言う。「権利には責任がついて回ります。表現の自由もビジネスも、騒音とのバランスの中で実現すべきです」

 日本でも屋外でのスピーカー利用や街頭演説について騒音の観点から、もっと議論があってもいい。「この商売を残すためにも適度の規制は必要です」と言うボナーさんは2月、今年の全英最優秀アイスクリーム販売人に選ばれた。取材の最後に自慢のソフトクリームをいただいた。頭がキーンとするほど冷えたバニラは、適度な甘みでさすがナンバーワンの味だった。(欧州総局)

アイスクリーム屋.jpg

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 「住民にうるさいと思われたら、アイスクリームを愛してもらえなくなりますから」
 「権利には責任がついて回ります。表現の自由もビジネスも、騒音とのバランスの中で実現すべきです」
 「この商売を残すためにも適度の規制は必要です」

 『声に出して読みたい名言』なんて、誰かが書いてそうな本があったら、絶対に収録したい名言ばかり。これが、まともな人間の思考であり言葉というものでしょう。

 翻って日本は、「静かに笑顔で」物を売るということができない連中だらけ。移動販売に限らず、どんな店に行っても狂ったように音楽や宣伝放送を流し、「いらっしゃいませこんにちはああああああああ!」「どーぞごりよーくださあああああああああああい!」などと押しつけがましく叫び続ける、まるでスイッチが壊れた機械のような人間しかいません。そして、そのことを「ちょっと、おかしいんじゃないか」と言う人すら滅多にいないという、もうどうしようもなく非人間的な国です。

 「日本人は、節度や礼節をわきまえたすばらしい国民だ!」なんて妙なセルフイメージが、いったいどこから湧いて出てくるのか私には不思議でなりません。キチガイじみた絶叫商売ばかりの国と、「静かに笑顔で」物を売るこのアイスクリーム屋と、どちらが本当の「おもてなし」をしていると言えるんでしょうねえ?

 この記者も「日本でも屋外でのスピーカー利用や街頭演説について騒音の観点から、もっと議論があってもいい。」と書くなら、書きっぱなしにしないでちゃんと紙面で提言してほしいですね(~があってもいい、というのは「実のところ、あまり深く考えてません」ということを示す新聞記事の常套句ですからねー)。
 「屋外騒音規制の厳しい英国では、物売りの声を聞くことはなく、政治家やデモ指導者がマイクを握る姿をみることもない。」と書いている一方で、同じ紙面に「“元気”を届ける移動販売!」「政治家が街頭で訴えた!」「デモで何百人が気勢を上げた!」だのと嬉しそうに載せている矛盾に気づかないんじゃ片手落ちですよ。
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カテゴリ:廃品回収・移動販売
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