選挙カーはついに世論調査から外されました
 東京では、都知事選というバカ騒ぎが始まってしまいました。

 とはいえ、「『選挙カーが役立った人』はたった0.5%」というエントリーにも書いたとおり、公職選挙法で「選挙カーの使用は候補者一人あたり1台(例外は参議院比例区の一人2台)」と決められているので、知事選で区市町村選挙のように狭い地域を何台もの選挙カーが走り回り、連呼の騒音に悩まされる日々が続くということはありません。
 ターミナル駅の駅前などでは、入れ代わり立ち代わりの演説が繰り返されていると思いますが、私は東京の外れの、駅から離れた住宅地に住んでいて、都心にはほとんど行かないので、あまり関係ありません。
 もっとも、私の住んでいる地域では、共産党後援会と名乗る死に損ないのジジイ、ババアども((c)毒蝮三太夫)が選挙があろうがなかろうが、しょっちゅう住宅地を練り歩きながら演説騒音を垂れ流します。選挙となればその頻度も高まるので、期間中に一度や二度は来て生活を妨害されるんじゃないか、と常におびえています。

 で、「『選挙カーが役立った人』はたった0.5%」に書いたように、東京都の選挙管理委員会が実施した2012年の都知事選後の世論調査には、不思議な点があります。「候補者の選定に役立った媒体」の中に、「自動車からの連呼(つまり選挙カーからの連呼)」という項目がないことです。
 調べてみると、その前、つまり2011年の都知事選まではこの項目があり、2011年の場合「選挙カーからの連呼が都知事選びに役立った」と答えている有権者がたった0.5%しかいなくて驚いたのですが、2012年の都知事選からは、この項目自体がきれいさっぱり消えてしまっているのです。

 私は、都の選挙管理委員会に、「なぜ、2012年の都知事選に関する世論調査から、自動車からの連呼が役立ったかどうかという設問をなくしたのでしょうか」と問い合わせてみました。余談ですが、東京都に住む有権者が都の選挙管理委員会に、疑問点があれば問い合わせをするのは当然のことなのに、回答をもらうまでが一苦労。電話をすると「担当者が不在でわからない」。メールを送ると1週間も放置。催促のメールを送って、ようやく答えてもらえました。本当にいいかげんです。

 なんとかもらえた返事は、かなり面白いものでした。「2011年の都知事選後の世論調査で、候補者の選定に役立った媒体として自動車からの連呼と答えた有権者が0.5%しかいなかった。これは極めて低い数字なので、2012年の調査から、この項目をなくすことにしました」というのです。

 これは要するに、選挙管理委員会が「選挙カーからの連呼は、有権者にとってなんの役にも立ってない」と認めたのと同じことです。「連呼なんてうるさくて迷惑なだけ」と感じているかどうかはともかくとして、少なくとも都知事選に限っては「選挙カーの存在って、世論調査をする価値もないわな」と認めたのと同じことなのです。

 にも関わらず、相変わらず今回の知事選でも、選挙カーは平然と走り続けています。マスコミも私の知る限り、「選挙管理委員会も調査項目から外すほど、選挙カーは有権者から無視されている」という事実を指摘しません。新聞やテレビなどの都政担当者なら、このことは当然、知っているはずでしょう。知らないというなら記者失格です。

 一票の格差がどうしたとか、裏金がどうしたとか、そんなわかりやすい、大きな出来事ばかり報道して、こういう小さな変化を報道しないマスコミに、私は意図的なものを感じます。「連呼する候補者や、駅前で演説する候補者は、被写体としておいしいから。これをなくしたら選挙報道で何を撮影したらいいかわからん」という自分たちの勝手な都合を優先したり、「表現の自由と表現手段の自由」をはき違えて、「政治のためなら、どこで、どんな大声を出してもええんや! 選挙カーが役立ってないだの連呼が迷惑だの、そんなもん関係ないわ!」と思考停止したりしているだけです。
 もちろん、一番アホなのは、こんな誰のためにも、なんの役にも立っていない、それどころかただ騒音を垂れ流しているだけの連呼という「風習」を相変わらず続ける政治家どもであり、「選挙カーが来ないと選挙気分が盛り上がらない!」などとわけのわからないことばかり言う時代遅れの住民であり、「うるさい、迷惑だ」と内心、思っていても、実際に「選挙カーやめろ」と意見を表明したり苦情を言ったりしない、ただ黙り込んでいるだけの住民たちです。

 「選管も認めた無用な選挙カー」。クレジットカードのCMか何かみたいですが、とりあえずこんなもの、都道府県の知事選からでも、さっさと廃止したらどうですかね。これは音の問題だけではありません。選挙カーをなくせば排気ガスも減るし、当然、選挙にかかる無駄な費用も減らすことができるんですよ(「政治家は無駄をなくせ!」と日頃勇ましいマスコミは、この点についても黙り込んだままです)。
 知事選を1回するごとに、税金から選挙費用がいくら使われているのか、そこまで詳しく調べようとは思いません。その費用の中から、選挙カーを廃止するだけでどれくらいコストを削ることができるのか、それも面倒なので調べません。でも、少なくとも百万円単位で無駄が減るのは間違いないんじゃないでしょうか。

 自治体の予算から見れば、百万単位なんてはした金かもしれません。選挙カーを廃止して浮いたカネを納税者に還付すると言われても、東京なら一人1円にもならないのだから困ります。でも、ただ無駄を減らすだけでなく、もっと有益にカネを使う道はいろいろあります。それこそ、この数百万円でワクチンを送れば、アフリカの子供たちが何十万人(何百万人?)救われるか……などと考えてみれば、選挙カーという無駄でやかましいだけのバカげた「風習」が、どれだけ貴重なカネをどぶに捨てているかよくわかるはずです。

 アフリカにワクチンを、じゃなくても、被災地の復興に役立てるとか、地域の住民の福祉に使うとか、なんでもいいです。そういう「本当に役立つこと」に頭を巡らそうとせず、選挙となれば平気で無駄金を使って街頭で、町中でただ叫び回るだけ。そんな政治家を支持する気になど一切なれませんね。
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