測定器メーカーのすばらしいコラム
「小野測器」という騒音計や振動計など、いろいろな分野の計測器を製造しているメーカーがあるようです。
その会社のホームページに「身近な計測」という、「音」にまつわるさまざまな話題を書いたコラムが掲載されています。

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku.html

音の科学的な分析から人間の耳の構造まで、いろんなことが書かれているのですが、この会社は作っているのが「測定器」ですから、基本的に「音というのは、もっと慎重に、繊細に扱うべきもの」という考え方を持っているようで、読んでいて大変うれしくなりました。

スピーカーなどの音響機器(特にハンドマイクや拡声器など)を作っているメーカーや、デジタルサイネージ(大型ビジョン、広告用液晶モニターなど)を作っているメーカーや広告代理店などのホームページを見ると、「もっともっと音を出そう!」「世の中をうるさくしよう!」という暴力的な言葉ばかり並んでいてうんざりするのですが、このコラムはとてもいいです。
これを読んだからといって、騒音問題を解決する直接的なヒントになるというわけでもありませんが、音っていったいなんなのかを理解したり、音に関する知識を増やしたりするには役立つかもしれません。
個人的に、「ええこと書いとるのー」と思ったコラムにリンクを貼り、一部を引用しておきます。

●集合住宅の音 その1 床衝撃音
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku/floor.htm
「人は、どんな空間にいても、いつも快適な環境であって欲しいと願うんだな。特に安らぎを求める住まいにおいては 、いやな騒音のない静かな環境で暮らしたいと願うことは分かるだろ。」
「床衝撃音は、上の階と下の階の人が、100%発生する側、受音する側とに明確に切分けられるんで 、お互い様という妥協点が見出せずに、問題となりやすいんだよ。家族ならば、ちょっとの間我慢してくれとかいえるんだがね。それに、音というのは感覚的なものだから、人によって不快と感じるレベルが違うし、同じ人でも体調や気分によってどうしても左右されてしまうんでなかなかやっかいなんだ。」

●集合住宅の音 その2 空気音と固体音
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku/kuuki.htm
「マンションは 、たくさんの家族が、コンクリートの床や壁、配管を共有して住んでいるわけだから、時間帯とかも気をつけて、お互いに騒音を出さない工夫をしなければいけないということだね。」

●時間マスキング2
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku/masking2.htm
「音を付加するということは、それを聞きたくない人にとってみれば騒音でしかないから、慎重にデザインされるべきだけどね。」

●アナログとディジタル
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku/anadigi.htm
「音の良し悪しは、人間の好みの部分が大きいから、単純に周波数やレベルでははかれないんだね。」

●音の回折
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku/kaisetsu.htm
「光は、障害物があると、その裏側に光は廻りこんでこないけど、音は障害物があっても、廻りこんでくるんだよ。」

●音の設計
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku/sekkei.htm
「サウンドスケープといって、音の風景って訳されるけど、視覚に風景があるように、音にも風景があるということで、その場に合った音のイメージを連想できるように設計されているんだよ。でも、街の中に自然の音が流れてもピンとこないことが多いけどね。」
「音って、身の回りにあるからあまり意識しないけど、正しい設計がなされていないと音が大きすぎたり、響きすぎたりで、本当に聞きたい音がちゃんと聞けなかったりするんだね。」

●サウンドスケープ(音の風景)
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku/soundscape.htm
「これまで、自動車や飛行機の騒音も、環境の中での自然な音も、何dBといった物理量で評価してきた。おとが言うように、数値にしないと誰もが同じように評価できないからね。でも、音は空気の振動という物理的な面と、快適な音や不快な音など感覚的な面がある。他の言葉でいうと、音は人それぞれがその音に感じる意味を呈示しているとも考えられる。例えば、虫の音に秋を感じたり、水のせせらぎに清涼感を感じたり。計測して物理的な量を把握することはもちろん大切なことなんだけど、その前に、その音が、人々にどんな意味を与えているかを考えることが、今、見直されてきているんだ。」
「EUでは環境騒音による健康被害の危険性の認識をきっかけにして、2002年に環境騒音指令という騒音への取り組みの基本的な共通指針が出され、その中の一つとして人口25万人以上の地域を対象にノイズマップが作成されているんだよ。」

●ハイブリッド車の音
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku/hybrid.htm
「ハイブリッドや電気自動車が多くなってきた時には、わざわざ音を出すというもなんか変な気がするなぁ。 本来は騒音が低くなって静かになることはいいことなのに...。」
「ユニバーサルデザインは、できる限り多様な人を考慮して開発・設計することなんだ。」
「報知音は、その音がもつ性状(高低、長さ、音色)で、意味というかニュアンスが連想させられるようにデザインすることが大事なんだ。 しかもどんな人が聞いてもいやな感じがしないようにね。」

●モスキートサウンド
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku/mosquito.htm
「報知音のデザインは、まず 「らしさ」 に重きが置かれるんだ。 注意を喚起する音は、確認の音より、高い周波数の音が使われるし、時間的な要素も重要だね。 年齢に関係なく人が情報として十分認知できて、しかも騒音にならないための考慮がされなければならない、いわば二律背反を両立させなけれならないんだ。」

※必読
●近隣騒音
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku/kinrin.htm
「音は音源の周囲に伝搬していくから、何か新しい施設や建物を作る時は、必ず騒音源として想定されるものの音のレベルを推定して、周囲に生活環境があれば、そこへの影響を環境基準やほかの騒音の目安になる数値を下回るように、設計されなければいけいない。」
「音環境設計という視点とともに、施設や建物の設計思想や意図についても、事業者から住民へ丁寧で明解な説明がなされなければならないんだ。 でも、今欠けているのは、音のレベルだけでなく、音源の意味的要素が心理面にどう影響を与えるかといった視点だと思うんだ。 数値化されないために設計と言う行為に反映されにくし、まだまだ研究をしないといけない分野だと思うけどね。」

※必読
●駅の音サイン
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku/sound_sign.htm
「エスカレータの案内音は、駅によっては、複数のホームの案内が重なって、聞き取りにくいところもあるように思うな。」
「 "音サイン" が普及することによって、いろんな課題も見つかってきたところじゃないかな。 "音サイン" を騒音と感じて、とても気になる人だっているからね。 実はお父さんは、どちらかというと、とても気になってるんだ。 建築的にも、"音サイン"の提供の仕方も、もっと改善できるんじゃないかということも含めてね。」
「結局この類の音は、音の大きさとかではなくて、個人的な好き嫌いで騒音と感じるかどうかが決まるんだろうね。 日本は、拡声器からの音が欧米に比べるとやや氾濫気味で、都市のサウンドスケープを考えると、疑問を呈している研究者もいる。」
「音は、とても身近にあって、当たり前と思ってしまうこととか、普段気がつかないことが多いんだけど、生活の中で、様々な役割があるんだ。 なるべく多くの人が騒音と感じないで、利便性や安全性を確保できるような音のデザインを、音を提供する場と一緒に考える必要があるんだね。」
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