お袋には、お入れいたしますか?
「うるさい」というより、「その言葉使いをやめろ!」という話ですが……。

先日、JR拝島駅構内のパン屋「リトルマーメイド」に入りました。
たまたま立ち寄っただけですが、店内では何人もの店員(みんな若いねーちゃん)が絶え間なく「いらっしゃーせー」「いらっしゃーせー」と声を出し続けていて、とにかくうるさい、しつこい、うっとうしい。
まあ、今どきそんな店は当たり前になってしまっているので、いちいち腹を立てていたら身が持たない。できる限り意識しないようにしていましたが、さすがにレジでこのセリフを言われたときは驚きました。

「お袋には、お入れいたしますか?」

お袋……。
何を言われたのか理解できるまで、1.2秒くらいかかりました。

商品を入れる袋、つまりレジ袋に、いちいち「お」を付けて言う必要があるのかね?
これは、いわゆるひとつのまともな日本語と言えるんでしょうか?
もっと自然に、「袋に入れますか?」じゃだめなんですかっ!?

私には目一杯譲歩しても、耐えられるのは「袋には、お入れいたしますか?」までです。頼むから、ひとくくりの言葉の中で二度も「お」を使わないでほしい。一度で十分ですよ、わかってくださいよ!

「おビール」とか「お野菜」とか、特に女性がいちいちモノに「お」を付けて丁寧に言うことは、昔からあります。おビールとかお野菜くらいなら、別に違和感もありません。
でも、レジ袋にまで「お」を付けるのは初めて聞いた。
いくら言葉使いは時代と共に移り変わるものとはいえ、「お袋」はちょっとひどすぎるのではないでしょうか。お前は森進一か!?

レジ袋にまで「お」を付けるようなバカな言葉使いをしないと、自分たちが「丁寧に接客している」という実感がわかないのか、客に「失礼だぞ!」と怒られると怯えているのか。私にはこういう言葉を平気で使える人たちの心理がまったく理解できないのですが、いずれにしろ異様としか思えません。
このブログ、というより「静かな街を考える会」のテーマはスピーカー音をはじめとする「騒音」なのですが、最近はそれだけでなく、こういう「接客の過剰な言葉使い」もうっとおしさを増し続けていて、どこに言ってもうんざりする一方です。

こんな言葉使いをする人の心には、「口先だけでもバカ丁寧にしておかないと、相手に何を言われるかわからないよ~!」「ちょっとでも上から目線の人間だと思われたら嫌だよ~! 傷つくよ~!」という、日本人特有の他人に対する異様なまでの怯えや、自己防衛の心理が働いているのでしょう。今では政治家からそのへんのおばちゃんまで、誰もが当たり前のように口にする「~させていただきます」という過剰なへりくだり表現の氾濫が典型的な例です(ほんと不愉快)。
でも言葉には、バカ丁寧にすればするほど、へりくだればへりくだるほど、相手と向き合わず表面を取り繕うだけで、むしろ人を小バカにしたような表現になるという性質もあるのです。

もちろん、こんなアホな言葉使いが増えるのは若い連中のせいというより、そういう言葉使いを強要するいい年をした「上の人間」の問題のほうが大きいのでしょう。
私は別に「古式ゆかしい正しい日本語を使え」などと言う気はありませんし(どこまでさかのぼれば「古式ゆかしい」「正しい」と言えるのか基準などないのだから)、若者が「チョーなんとか」だの「マジうける~」だのという「乱れた日本語」を使うのも、別にかまわないと思っています(世代ごとに、そういう特殊な言葉使いが「流行る」のは当然のことなのだから。私だって、世代特有の言葉使いを知らず知らずにしているでしょう)。

ただ、そういう「遊び感覚、内輪感覚」の言葉の「乱れ」とは完全に逆のベクトルを持つ「過剰なまでにバカ丁寧な言葉使い」が氾濫し、その結果、あまりにもとんちんかんな日本語が「これが丁寧というものだ!」と定着してしまうのは我慢できません。
もう少し、社会全体が「そこまでやるとおかしくね? ちょっと慇懃無礼すぎるんじゃね?」という感覚を取り戻し、「自然な言葉使い」で人と人とがコミュニケーションできる場所になってほしいと思うのですが……まー無理なんだろーなー……。

この状況って、やばくね?
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Author:静かな街を考える会 別館
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