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審査で日本の町はきれいになるか?
作家の池澤夏樹氏が、先日の朝日新聞の連載コラム「終わりと始まり」で、日本の汚らしい景観について苦言を呈しています。その中で少しですが、スピーカー騒音についても触れています。

「バスの車内広告から広い通りの景観まで、細かなものが何の統一感もなくごちゃごちゃぎっしり詰め込まれている。どれもがちっこいくせに必死になって自己主張していて、色使いも言葉使いもとんがっている。当然それらは互いに消し合うから、結果としてはただ汚らしいだけ。目のやり場がないので目を閉じると、録音されたアナウンスメントの声が降ってくる。次の停留所を告げる放送に広告が割り込む。ああ、耳はふさげない。」

というくだりです。

終わりと始まり(池澤夏樹).jpg

池澤氏は日本のスピーカー騒音について、ある程度の問題意識を持っている人のようで、ときどき、このような発言をします。
以前にもこのブログで紹介した、
http://bunkasouonn.blog.fc2.com/blog-entry-132.html
も同様です。

景観の汚らしさについても、騒音のひどさについても、私は池澤氏の意見に同感です。このブログでは基本的に騒音のことしか取り上げていませんが、私は日本の景観の汚らしさ、特に看板やのぼり、そして商店街のギラギラしたデザインや「はみ出し陳列」の多さにはうんざりしていています(スピーカー騒音も景観の汚らしさも、元をたどれば原因は同じですから)。

ところで、日本の景観を少しでもきれいにするため、池澤氏は、
「大事なのは審査だ。行政機構の高い位置に権限のあるデザイナーがいること。都市ぜんたいのユニティーとそこに並ぶアイテム一つ一つのオリジナリティーとの間のバランスを考えてことを決める誰かが必要なのだ」
と、書いています。
これはもちろん、一つの方法ではあると思うのですが、それで本当に日本の景観がまともになるかというと、私は「無理だろうなー」と思います。

池澤氏が例に挙げているような銀座通りや表参道のように、一つの小さな区域をこの方法できれいに保つことはできるかもしれません。あるいは、バスや電車の車内広告をすっきりさせることも、社内審査などを厳格にすることで可能になるでしょう。
しかし、日本の景観のごちゃごちゃ感はそんなところだけでなく、あらゆる住宅地や商店街で見られるものです。
少し町を歩けば、至る所に「あいさつをしよう」だの「青少年健全育成の町」だの「ひったくり多発地帯!」だの、「だから、なんなんだよ!」と言いたくなるような、「善意あふれる(苦笑)うす汚い看板やのぼり」ばかり乱立しているのが日本です(わざわざ歩かなくても、立って見渡すだけですぐにいくつも見つかります)。
しかも、「みんなで一声かけあおう」などと書いた看板のすぐ横に、「声をかけられたら110番!」などという看板が同居しているのですからお笑いぐさです(うちの近くの公園には、この二つの看板がわざわざ並んで木にぶら下げられている!)。

こんな矛盾に気づきもしない日本人。無意味な「天の声」を、そこかしこに乱立させること(乱立させられること)が大好きな日本人。原色ギラギラのけばけばしい造花を飾り、電飾をチカチカさせて人の目を奪うことばかり考えている日本人(しかもそういう看板に限って、堂々と道路にはみ出して置いている)。
そんな国が、行政主導でデザインをまとめようとしても、うまくいくはずがありません。そもそも行政自体が看板や防災無線などでよけいなおせっかいをして、町を汚くすることが大好きなのですから、どうしようもない状況です(たばこのポイ捨てはもちろん迷惑ですが、「たばこのポイ捨てはやめましょう」という看板も同様に汚くて迷惑だということ)。
それに果たして、日本に「都市ぜんたいのユニティーとそこに並ぶアイテム一つ一つのオリジナリティーとの間のバランスを考えて」審査ができる、優れたデザイナーとやらが一人でもいるのでしょうか?

日本の町を少しでも「きれいに」「静かに」させるには、審査はもちろん有効でしょうが、それよりもまず、日本人の「天の声大好き!」「建前だけ、空疎なだけの『善意』あふれる押しつけ大好き!」といった意識を、根本から変えないと難しいでしょう。
でも、そんな意識の変革なんて、1000年たっても無理なんだろうなー。
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■プロフィール

Author:H・K
市民グループ「静かな街を考える会」会員H・Kのブログ。日本の街にあふれるスピーカー騒音や絶叫騒音、うるさい接客、醜い景観などの問題について書き綴っています。

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