聖蹟桜ヶ丘でも駅メロ開始その1
今朝の朝日新聞に、ろくでもない情報が載っていました。
京王線の聖蹟桜ヶ丘駅で、4月から電車の到着を知らせるメロディーとして、アニメ映画「耳をすませば」のテーマ曲でもある「カントリー・ロード」を流すそうです。
もうため息しか出ません。

私はけっこうなアニメオタク(ほとんど昔のアニメにしか興味ありません)ですが、駅で「カントリー・ロード」だろうが、「翔べ!ガンダム」(西武新宿線下井草駅)、「銀河鉄道999」(同池袋線大泉学園駅)、「鉄腕アトム」(JR山手線高田馬場駅)だろうが、一切強制的に聞かされたくはありません。
記事によれば「より一層、ファンをおもてなしするため」と京王電鉄はコメントしているのですが、なぜこんな押しつけが「おもてなし」になるんでしょうかね。本当に日本の「おもてなし」というのは「くどくて、一方的で、身勝手で、しつこすぎ、勘違いしていること」ばかりです。

だいたい「電車の接近を知らせるための音」ならなおのこと、耳に心地良い(と京王電鉄は判断しているのでしょうが)音楽を鳴らするのは、注意喚起としてまったく逆効果ではないでしょうか。鉄道会社がもっとも重要視すべきことは「安全に、的確に、電車の接近を知らせること」のはずなのに、なぜ、そこにわざわざ聞き心地のよい「おもてなし」が必要なのか? 勘違いもはなはだしい。
駅というのは時速数十キロ、場合によっては百キロを超えるような猛スピードで電車がやってくるところです。そこに必要なのは「安全」や「緊張感」であって、「カントリー・ロード」で「弛緩する」ことではありません。
乗客を音楽に注意を向けさせ安全をないがしろにするという行為は駅がすることではないのはもちろん、乗客の側ももっと、「自分は『走る凶器』が来る場所にいるんだ」という緊張感を持つべきなのに、鉄道会社自身がまったく正反対の方向に乗客を誘導しているのは、本当に本末転倒だと思います。
また私のように、どのような曲であれ駅で音楽など聞かされたくはないと思っている人間の場合は、よけいにイライラさせられるため、反対の意味で電車接近にともなう危険が増すだけでしょうね。
「カントリー・ロード」を喜ぶ人にとっても、私のように聞きたくないと思う人にとっても、どちらにしろこのような「駅としての本分を忘れた行為」は、危険度を増すだけでろくな結果を招かないのです。

記事によれば、この場合の「おもてなし」というのは、「映画のファンが駅周辺を訪れるから」とあります。つまり主に音楽を聞かせたい対象は「ファン」なのです(だから「より一層」というコメントになる)。
聖蹟桜ヶ丘に住んで毎日駅を利用している人の存在はまったく無視して、ごく一部(駅を訪れるファンが、毎日何百人、何千人もいるわけない)の人間のために鉄道会社としての本分をわきまえない「押しつけ音楽」を流すというのは、公共性の高い企業のやることではありません。
ましてや、そういう人がいるかいないかはわかりませんが、「カントリー・ロード」や「耳をすませば」がそもそも大嫌いだ、という人の立場は、大げさに言えば人権の面からいったいどうとらえればいいのでしょうか。
私は長いことJR総武線の水道橋駅を利用していませんが、さきほどウィキペディアで調べたら、ここ数年ずっとジャイアンツの応援歌を流しているそうですね。私は大のアンチ巨人ですから、「嫌いじゃない音楽」なら、なんとか我慢してその駅を利用することもできるでしょうが、巨人の応援歌が流れているなら水道橋駅は2度と利用したくありません。

どうしても駅で「カントリー・ロード」であれなんであれ音楽を聞かせたいのなら、専用の防音ブースでも用意して、そこに「ファン」とやらを閉じ込めて聞かせてやればいいのです。煙草は今どき大抵の店で喫煙室で吸えと強制されるのですから、音楽を聞きたい人はそのために「聴音室」にでも行くべきでしょう。そしてその部屋では、10分で100円くらい徴収してほしいですね。一部のファンのため運賃に「聴音室」のコストが加算されるのはまっぴらですから。

まあ、ほとんどの人は「別に耳すまだろうがなんだろうが、どうでもいいよ」と思うのでしょうが、それがまた問題ですね。
私は日本人の公共の場での態度をここまで破壊し尽くした元凶は「ウォークマン」(とりあえずこの名称で書きます)と「携帯電話」だと考えています。「ウォークマン」で耳をふさぎ、「携帯電話」で目をふさぐ人たちは、周囲の情報をシャットアウトして、無意識のうちに、どこにいても自分だけの世界に浸りたいと考えているのだと思います。
駅のような公共の場で、本来の意味での「電車の接近を知らせる音」が鳴るのはおかしなことではありません。しかし、それを「音楽」という趣味性嗜好性の高いものにした途端、「ああ、また余計な情報(&自分の好みに反する情緒)だ」と無意識に判断して、「ウォークマン」で自分を防御しようとする人がさらに増えるでしょう。
余計な音楽や放送を垂れ流す→それをシャットアウトする人が増える→鉄道会社は無理矢理にでも聞かせようとして、ますます音楽を流したり音量を大きくしたり放送をくどくしたりする→さらにそれをシャットアウトする人が増える→鉄道会社は無理矢理にでも……という悪循環が繰り返される。そしてますます駅が危険で猥雑きわまりない場所になっていく。
私も去年から電車に乗るときは耳栓をすることが増えました。そうでもしないととても耐えられないからです(ウォークマンは使いません。耳からの情報の侵入を防ぐため、別の情報で上書きをするというのは、私に言わせればそれ自体が騒音をまきちらす行為に荷担していると思いますので、あくまで耳栓を使い「情報を無くすこと」で対抗します)。
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