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なぜ、ベビーカーだけ目の敵にするのか?
スピーカー騒音とは直接関係がないのですが、新聞を読むと「電車内でのベビーカーの使用」について、「使えないと困る」という意見と、「邪魔だ、危険だ、使うな」という意見で言い争いが絶えないようですね。
どちらかというと「電車内ではベビーカーを使うな」という声のほうが大きく、鉄道会社も使用を控えるように、という考えになっているようです。
しかし私はこの争いに、とても違和感を覚えています。

私は朝のラッシュ時に電車に乗ることがあまりないので、その時間帯にベビーカーを使われて迷惑した、という記憶はありません。ですが、昼間や夜の時間帯にベビーカーを使う人と乗り合わせたからといって、それが「迷惑」に感じた記憶もありません。
一昔も二昔も前じゃないんだから、外出中にずっと赤ん坊をおぶって歩け、というのは酷な話ですし、大きな荷物を持って電車に乗る人はいくらでもいるのだから、なぜベビーカーだけそこまで目の敵にするのか、どうしても理解できないのです。

先日の新聞にも記事があったのですが、ベビーカーに反対する人の理由は、概ねこんなところのようです。
・混雑した車内で邪魔だ
・赤ん坊が泣くのがうるさいぞ
・電車が急ブレーキをかけ、ベビーカーが動いて人に危害を与えたらどうするんだ
しかし、「邪魔」というのは上記の通り、ほかにいくらでも「邪魔」なものを持ち込む乗客はいます(部活の高校生のバッグとか)。
「赤ん坊が泣くのがうるさい」というのは、確かにうるさいですが、ベビーカーを使おうが使うまいが赤ん坊が泣くのは同じこと。それに「世の中のすべてがうるさい!」としつこく書き込んでいる私が言うのもなんですが、赤ん坊は泣くのが当たり前であって、多少の泣き声はして当然。私は親が「赤ん坊が泣いても放ったまま、あやそうともしない」場合は猛烈に腹が立ちますが、「必死にあやしているのに赤ん坊が泣きやまない」場合は「仕方のないことだ」と思うので気になりません。

そして一番おかしいと思うのは、「電車が急ブレーキをかけ、ベビーカーが動いて人に危害を与えたらどうするんだ」という理屈ですね。
実際に「電車が急ブレーキをかけ、ベビーカーが動いて私に危害を与えた」ら、そのときは「どうしてくれるんだ」と詰め寄ろうがどうしようがかまわないと思います。しかし現実は、「実際に危害を受けたわけでもなんでもないのに、危害を受けると勝手に想像して『使うな、やめろ!』と憤る」人たちがずいぶん多いようです(先日の新聞記事でも、「“もし”危害を与えられたら怖いので、ベビーカーは禁止してほしい」というコメントが掲載されていました)。
でも、これって「何も起こってないのに、とにかく先回りして『なんでもかんでも注意しろ、警告しろ、禁止しろ!』という、防災無線をはじめとした『ご注意放送、マナー放送』が大好きな日本人の臆病さ」ゆえのこと。こんなところだけ想像力が豊かすぎるだけです。
それに「電車が急ブレーキをかけても、ベビーカーが動かない」ようにするには、「乗車中はつり革につかまる」という当たり前のことをして、もう片方の手でベビーカーをしっかりつかまえていればいいだけだと思うのですが、何千回、何万回と「つり革につかまれ」と車内放送で注意されても、いっこうにつかまろうとしない乗客がほとんど(むしろスマホの普及などで、昔より「つり革につかまらないバカな客」は確実に増えているように見えます)なのだから、ベビーカーを使っている乗客も、使うなと言う乗客も、「当たり前のことができない」という意味では五十歩百歩でしかないと思います。
あんたらみたいなのばかりだから、幼稚な「つり革につかまれ」放送が永久になくならないんだよ。

長くなるのであとは簡潔に書きますが、
・ベビーカーを禁止するより、気兼ねなく使えるよう車内の混雑を緩和したり、時差出勤をすすめたりするほうが、鉄道会社や政府、経済界のやるべきことではないか。やるべきことをやるのではなく、なんでもかんでも「禁止」「ご注意」「警告」して満足したって意味がない。

・ベビーカーのように、「体にぶつけられたら嫌だ」というような「物理的な危害」についてだけは異様に敏感なのも、日本人の特徴ではないでしょうか。電車ではベビーカーに遭遇するよりはるかに高い頻度で日々、大音量の車内放送にさらされているのに、こちらについては「なーんにも聞こえていない、なーんにも感じていない」(それどころか「もっと放送しろ、もっとご注意しろ!」という要求ばかりする)日本人の身体(心)に対する意識は、やはりちょっとおかしいとしか言いようがありません。
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Author:H・K
市民グループ「静かな街を考える会」会員H・Kのブログ。日本の街にあふれるスピーカー騒音や絶叫騒音、うるさい接客、醜い景観などの問題について書き綴っています。

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