日本人は管理放送が大好き!その1
いま、吉見俊哉著「『声』の資本主義」という本を途中まで読んでいます。
この本は副題に「電話・ラジオ・蓄音機の社会史」とあるとおり、別に拡声器そのものを研究したり、その騒音を告発したりする内容ではありませんが、どうして、日本ではこんなに拡声器騒音が当たり前のように流されているのか、なぜ、誰もがこんなにたやすく受け入れてしまうのかを考えるにあたり、その側面を示唆してくれる内容もあります。

第四章「村のネットワーキング」のあたりがその部分で、
「明治天皇の巡幸とともに、異様なスピードで広まった全国電信網の誕生」
「日本の電話文化は同時代の欧米でみられたような大衆娯楽的なものではなく、国家による国民管理メディアとして役割づけられた」
「農村における、戦争末期からの有線放送設備(いまの防災無線の前身)の広まり、それに続く有線放送電話(屋内防災無線と電話を合わせたのようなもの)の大ブーム」
というあたりを読むと、日本人の「スピーカー放送大好き! 管理放送大好き!」な体質がいかに根深いものか理解できます。

著者は国により統制された電信や電話を「国家装置」、住民の自生的な運動から始まった農村における有線放送の広まりを「草の根的な装置」と分けて位置づけているようですが、根っこをたどれば規模が違うだけで、どちらも住民の「管理」や「相互監視」を目的にしていることに、大した違いはないと思います。
特に、農村における有線放送設備や有線放送電話の活用事例については、まさに現在の「よけいなお世話」としか言いようのない防災無線の放送とまったく同一。防災無線の乱用が、基本的に田舎に行けば行くほどひどくなる傾向にあるのもうなづけます。

防災無線に限らず、駅や店などさまざまな場所でのしつこい「ご注意放送」や「お知らせ放送」なども、すべてこの「村落共同体の管理放送」の延長線上にあるわけで、99.9%の日本人はこれが「大好き!」なんですから、あと1000年かかってもこの国からスピーカー騒音はなくならないんでしょうね。
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カテゴリ:騒音をめぐるあれこれ
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