条例違反の大型ビジョンを放置する警察と行政
 いやー、ひどい。ドイヒーざんす。

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街頭ビジョン「音」規制は? 市が許可…実は県条例違反

2019/8/25 14:02

西日本新聞

 3階建てビルの屋上に設置された大型ビジョンで、映画の告知映像が大音響と共に流れていた。福岡市中央区の国体道路。近くに事務所を構える自営業の男性(56)は「窓を閉めていてもうるさくて仕事の話ができない。でも『音』を規制する法律がないらしいんです」と困惑する。SOSを受けた特命取材班が調べると、「縦割り行政」による弊害が見えてきた。

 ビジョンは縦4メートル、横7・6メートル。2017年に設置され、交差点を行き交う人々に向けて、音声付きの広告映像を発信してきた。絶え間ない音に困った男性は、数回にわたって設置業者に「音量を下げて」と要請した。しばらくすると大音量に戻ってしまう。市に相談しても動いてもらえなかったという。

 取材班がまず注目したのは、国土交通省が所管する屋外広告物法。大型ビジョンは屋外広告物に当たり、自治体が設置を許可する。問題のビジョンも福岡市が許可していた。ところが市都市景観室は「ビジョンが出す『音』は法律上、屋外広告物に当たらず、規制できません」と関知しない姿勢を示した。冒頭の男性もここで諦めていた。

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 それなら環境省が所管する騒音規制法はどうだろう。同法が規制するのは主に工場や建設作業、自動車による騒音。ただし深夜営業店舗などの騒音を防ぐため、多くの自治体が条例を定めている。市環境保全課に尋ねると「福岡県警が所管する、県騒音防止条例の対象かもしれません」。方々の行政機関に取材し、ようやく同条例で規制されていることが分かった。

 同条例は「商業宣伝を目的とした拡声放送」について、午後8時~翌日午前9時に放送しない▽毎時15分以上の休止時間をおく▽地上7メートル以上から放送しない-などと定めている。地域や時間帯によって音量を50~75デシベルとする基準もあり、違反すると最も重い措置で5万円以下の罰金を科せられる。

 問題のビジョンは地上13メートルに設置されており、午後8時以降の放映もあった。管理業者に条例を認識していたか問い合わせると、同社は「『音』も含めて市の許可を受けたつもりだった」と驚いた様子だった。

 もっとも、同条例に基づいて業者が摘発された例は過去にない。県警生活経済課は「相当悪質でない限り、基本的には当事者間の話し合いで解決されるのが望ましい」と静観する。

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 同様の条例は多くの自治体で制定されている。事実上違反状態のビジョンでも許可されているのは、福岡だけではない。東京都も「屋外広告物」と「騒音」の担当は別で、「許可申請者に音についての注意喚起はしない」と明言する。

 大型ビジョン事業者でつくる一般社団法人・日本パブリックビューイング協会(東京)は「知らずに違反してしまったケースは他にもある」と明かす。

 一方、規制内容の古さを指摘する声もある。福岡県で同条例が制定されたのは1955年。ビジョンの音は想定されていなかった。新川達郎・同志社大大学院教授(行政学)は「広告媒体のあり方がどんどん変わり、既存のルールで対応できていない面もあるだろう。問題が出てきた以上、行政は縦割りでなく、連携して啓発や規制に取り組む必要がある」と語った。

 問題のビジョンは7月、管理業者が代わった。市は新たに設置許可を出したが、条例については知らせていない。

街頭ビジョン「音」規制は?

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 私は、この記事に出てくる〈(福岡)県騒音防止条例〉をひとまずネットで検索してみたのですが、果たして本当に存在するのか怪しいと思えるほど結果が出ません。条文も何も出てこないのです。
 もっとも、やはり記事内にあるように〈同様の条例は多くの自治体で制定されている〉はずで、東京都の場合は「環境確保条例」という名称で「商業宣伝目的の拡声器放送」が規制されています。
 しかし、条例があっても運用しなければ意味がありません。もともと環境確保条例にしろ騒音防止条例にしろ、「拡声器で音を出してはいかん」という厳しいものではなく、「音を出すなら最低限これくらいの基準は守れ」という非常に緩い条例です。それなのに現状は、大型ビジョンの放送だけでなく廃品回収車やアドトラックなどあらゆる種類の宣伝放送が完全に野放しで、「ちゃんと取り締まってくれ」と要請しても行政も警察も動く気がない点は福岡も東京も同じなのです。

 それどころか連中は、違法な放送を続ける大型ビジョンに率先して自分たちの広報番組を放送させて喜んでいる始末。これじゃあどうしようもありません。
 私は都庁に出向いて環境担当の職員と話をしたことがあるのですが、〈条例に基づいて業者が摘発された例は過去にない〉と同じ意味のことを言われ唖然とした経験があります。「私たちは仕事をしていません」って、そんなの胸を張って言うことかよこのバカチンが!
 それに〈「相当悪質でない限り、基本的には当事者間の話し合いで解決されるのが望ましい」と静観する〉警察には猛烈に腹が立ちます。〈窓を閉めていてもうるさくて仕事の話ができない〉ほどの騒音が悪質でないなら悪質ってなんなのでしょう。

 まあ〈『音』も含めて市の許可を受けたつもりだった〉〈知らずに違反してしまったケースは他にもある〉などという業者のたわごとが堂々と通用してしまうこの国が、とても法治国家と呼べない国ということだけはよーくわかりましたとさ。

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カテゴリ:街頭ビジョン・アドトラック
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Author:S.B
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