NHK「球辞苑」の「音」の取り上げ方がピント外れ
 プロ野球のマニアックなプレーや記録を掘り下げるNHK BS1の「球辞苑」という番組を見ていたら、視聴者から1通しか応募がなかった少数派テーマの一つに「音」というのがありました。これをリクエストした「しんいちさん(70代・審判マニア)」のコメント。

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 一塁クロスプレーの判定をするうえで、「音」がひとつの判断要素であることを知っていますか? それはベースを踏む音と送球をキャッチする音です。昔の球場は静かでした。だからこの両方の音の時間差でアウト、セーフの判定ができました。野球は音のスポーツでもあります。バットとボールが当たる打撃の音。ボールを捕るキャッチの音。そして、アウト、セーフを判定する音。それらを楽しめるのが野球の醍醐味のひとつではないでしょうか?

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 しかしこのコメントを読み上げた後、司会のお笑い芸人も、ゲストだった元マリーンズの里崎も無反応。「音って審判側の音なんやなあ」という、お笑い芸人のピント外れな一言で終わりでした。
 でも、このコメントは明らかに「鉦や太鼓、トランペットをのべつまくなしに吹き鳴らし、応援歌を絶叫し続けるやかましい応援団の音」のことを指しているんだから、〈審判側の音〉ではなく「審判にすら聞こえない音」の問題に決まってるっしょ。けたたましい応援団のせいで選手や審判はプレーを妨害され、観客も野球観戦の楽しみを奪われていると言っているわけです。

 まあ、最大の問題は選手も審判もファンも、ほとんどがこのキチガイじみた応援のせいで〈野球の醍醐味〉を奪われていると思っていないところにあるのでしょう。それにもし思っていたとしても、うっかり批判的な意見を口にすれば「オレ様たちが必死の応援をしてやっているのに、それに文句を言う選手は裏切り者だ! 応援が嫌なファンはファンじゃねえし球場に来るな!」なんて罵声を浴びるだけ。怖くてとても口にできないだろうしね。

 以前のエントリーでも同じことを書きましたが、私はこの応援団の音(特に調子っぱずれなトランペットの音)が不愉快で、プロ野球の中継をまったく見なくなりました。スポーツニュースも見ません。それでもマニアックな記録の話は好きなのでこの番組は見ていますが、VTRで試合の模様が流れると、漏れなく「ぷっぷかぷうー」と耳障りなトランペットの音も付いてくるので、すぐにテレビの音量を下げ、VTRが終わるとまた上げるという涙ぐましい(バカバカしい)努力を続けています。
 もし、この番組でプロ野球の音について取り上げたとしても、どうせ「日本の応援はすばらしいですね!」なんて内容になるのは見え見えだから、そこはもう触らなくていいっすよ。

 本当は、この番組にはもう一つ不愉快な点があって、それはお笑い番組やバラエティー番組などと同じように、わざわざ録音した声を効果音として付け加えていることです。「わはははは」という大げさな笑い声や、「おー」だの「あー」だのというわざとらしい驚きの声を後付けする番組は願い下げ。ああいう押しつけがましい演出はやめてもらえないでしょうかねえ。

 それともう一つどうしても気になるのが、「プロ野球が100倍楽しくなるキーワードたち」というサブタイトルです。「~たち」という言葉は、本来、無生物や抽象的な事物には使わないはず。「人間たち」「犬たち」「トカゲたち」とは言っても「ボールペンたち」「建物たち」「ニュースたち」とは言わないのです。「キーワード」も抽象的な事物を指す言葉なのだから、「キーワードたち」と言われると、尻の穴を綿棒で撫でられるようなむずむずした感覚に襲われてしまいます。いや、それはそれで気持ちいいのか……。こんなのはじめて!

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カテゴリ:プロ野球の応援
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Author:S.B
市民グループ「静かな街を考える会」会員S.Bのブログ。日本の街にあふれるスピーカー騒音や絶叫騒音、うるさい接客、醜い景観などの問題について書き綴っています。

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