拡声器の放送にこそ「そもそもお前は誰なんだ!」と応戦したい
 景観についてのエントリーを続けるつもり(まだまだ続く)なのですが、忙しくてじっくり書いている暇がありません。ちょっとしたネタ話でお茶を濁します。

 40歳過ぎのおっさんアイドルグループが組織の逆鱗に触れ公開処刑されたとか、おねいちゃんタレントが不義密通の罪で人民裁判にかけられて島流しにあったとか、そんなこと、どうでもええやん。

 あの人たちの世界の乱闘や椅子取りゲームが、なんで「国民的関心事」だの「私たち一人ひとりが考えるべき問題」になるのか。勝手におれを「国民」とか「私たち」の中に入れるなよ! と思うわけですが(そのわりに、いちいち内容を知っているのはなぜだ)、それよりも、たまたま見た芸能ニュースの「一言」が妙にツボにはまってしまいました。

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火種は10年前…鑑定団プロデューサー 初対面で石坂浩二を泥酔愚弄

 テレビ東京から「開運!なんでも鑑定団」の司会降板を通告された俳優石坂浩二(74)と、騒動の引き金になっているチーフプロデューサーとのトラブルの詳細が29日、分かった。

 《中略》当時の番組関係者によると、プロデューサーは石坂や鑑定士らにあいさつする機会がないまま、スタジオで業務を行っていたため、忘年会が実質の初対面の場だった。

 ひどく酔った状態で、石坂と当時のマネジャーの席に歩み寄ったプロデューサーは、《中略》石坂がメーンだったコーナー「鑑定ルーム」について「あれ、何でやってんのかな?」と話しかけ、「やめた方がいい」などとまくし立てた。

 《中略》石坂は静観。それでもプロデューサーが話しかけてきたため、しばらくすると石坂が「そもそもお前は誰なんだ!」などと応戦し、大勢が止めに入る騒ぎになった。

鑑定団プロデューサー初対面で石坂浩二を泥酔愚弄.jpg

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 「そもそもお前は誰なんだ!」

 ツボにはまった言葉は、これです。何度読んでも笑ってしまう。
 もう私は、この国のあらゆる場所で「そもそもお前は誰なんだ!」と応戦したいですね。

 エスカレーターからしつこく鳴り響く「手すりにつかまり、ステップの内側に立ち……」の幼稚なアナウンスに「そもそもお前は誰なんだ!」

 ひと駅ごとに「お忘れ物にご注意ください」と、他人を愚か者扱いし続ける自動アナウンスやねじ巻き車掌に「そもそもお前は誰なんだ!」

 商店街で「地元に愛されて40年。硬井布団店は3丁目交差点、追込信用金庫すぐ隣です」などと、人様の頭の上でけたたましくしゃべり続けるアナウンスに「そもそもお前は誰なんだ!」

 気が狂ったような大音響で「オレ様のCDを買え! イベントを見ろ!」と押しつけてくる街頭ビジョンの宣伝に「そもそもお前は誰なんだ!」

 歩行者など一人もいないと見ればわかる交差点で、「左に曲がります、ご注意ください!」と繰り返すバスやトラックのボイスアラームに「そもそもお前は誰なんだ!」

 「子供たちを見守りましょう」と、市民全員に同じ行動をしろと強制する防災無線の放送に「そもそもお前は誰なんだ!」

 「あと一歩、あと一歩でございます!」と、おもちゃをねだるガキのように叫び続けるウグイスババアや政治屋に「そもそもお前は誰なんだ!」

 「これが民主主義だ!」などと勝手に決めつけ、正義感に陶酔して雄叫びを上げるデモ連中に「そもそもお前は誰なんだ!」

 書いているとキリがなくなるほど、「どこの誰だかわからない奴から、ああしろ、こうしろと言われ続ける」この国は、全員が「なんでも鑑定団」のチーフプロデューサーみたいなものですね。誰も彼もが酩酊し、わけもわからずひたすら叫び続けている状態。言われている側も酩酊しているから、苦痛ひとつ感じないまま平気な顔で聞き流す。
 耐えかねたわずかな人間が「そもそもお前は誰なんだ!」と応戦すると罰を受けてしまうのも、世の中の仕組みとまったく同じです。
 スピーカー騒音や注意看板が当たり前のように蔓延するこの国は、1億2000万人の酔っ払いが徘徊する壮大な泥酔国家なんでしょう。

 本物の酒のように許容量というものがあり、限度を超えるとアル中になって死ぬか治療を受けることになるならまだいいのですが、拡声器放送の洪水に酩酊している人たち(放送する側も、それを聞いている側も)にはそれがない。そこが、最も恐ろしいところです。

 で、こんなブログを書いている「そもそもお前は誰なんだ!」

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カテゴリ:騒音をめぐるあれこれ
注意看板の残骸を平気で放置する「自称善人」たち
 景観(特に注意・警告・道徳を押しつけてくる看板、貼り紙、のぼり)についての話を続けます。

 前回のエントリー等で挙げた看板のほかにも、不快なバカ看板はこの国のいたる所に、無数にあります。中にはすでに「看板」とすら呼べないものも。

 たとえば、こんなものはどうでしょうか。

とびだし注意?貼り紙.jpg

交通安全?看板.jpg

 上の電柱の貼り紙は、「とび」という書き出しに見えるので、「とびだし注意」とでも書いてあるんでしょう。
 下の交差点の車止めにくくり付けられているのぼりは、無残にも引きちぎれ、風にはためいているので、もはやなんののぼりなのかすらわかりません。かろうじて一番上の字が「交」と読めなくもないので、やはりこちらも「交通安全」とかなんとか書いてあるのでしょう。

 いったい、どういうつもりなんですかね。

 世の中の「自称善人」たちは、こうした看板、貼り紙、のぼりなどを、蟻が砂糖に群がるように、隙あらば街のあらゆる場所に取り付けます。
 取り付けたら取り付けたで、最後まで責任を持って管理するならともかく、その看板がぼろぼろになり、なんの役にも立たなくなり、街の景観を汚らしくするだけの状態になっても、このように平気で放置し続けます。
 うちの周囲にも、こうした看板やのぼりはいくつもありますが、「あ、撤去されてきれいになってる」と感じたことは一度もありません。どれもこれも何年たってもそのままです。
 掲載した下の写真ののぼりなんて、「交通安全のぼり」どころか「交通事故誘発のぼり」にしかなっていませんね。

 自分たちの「善意」や「善行」をアピールし、自己満足に浸りたい「善人気取りの連中」たちの、最も恐ろしいのはこういうところ。自分たちがなんの目的で、何をしているのか、それは本当に役に立つことなのか、むしろ世の中にとってマイナスになっているのではないか、と考えることすらできない点です。

 私は、この手の看板を貼り出す連中のことを想像すると、風俗に行ってヤルことをヤッた後で、「キミもいつまでもこんな仕事をしていないで、まっとうな道を歩きなさい」などと説教するクソオヤジを連想してしまいますね(しかも、割引券を使ってセコかったりして)。
 私が風俗嬢だったら、「どの口で言うとんじゃボケ!」と腹が立つでしょう。
 いや、なんかちょっと違うような気がしなくもないけど、要は人様に対して偉そうに説教する前に、自らのやっていることを少しは振り返ってみろ、ということです。

 こういう連中は、看板を立てたら立てっ放し、ヤッたらヤリッ放し、という点では「看板バイアグラオヤジ」と言ってもいいのかもしれません。なんだそれは。まあ「人に説教をするくせに、自分の行為のでたらめさには気づかない」のはオヤジに限らず、バアサンも若いのも無数にいるわけですが。
 う~ん、書いていて自分でもわけがわからなくなってきた。

 ともあれ、ここに載せた残骸と化した看板は、「とても珍しいから写真に撮った」というわけではないのです。どの街のどんな場所にでも、ちょっと周囲を見渡せば必ず見つけられるほど溢れかえっています。それをいちいち写真に収めるほど私も暇じゃないので、撮影したのはたった2枚というだけです。

 このような汚物同然のものが街中に氾濫しているのに、「日本の道路にはごみ一つ落ちていないぞ」「日本人は高い道徳意識を持っているのだ」「日本は美しい国だと世界にアピールしよう」などと、根拠不明の美化されたイメージだけでものを言う連中がどれだけ多いことか。
 スピーカー騒音の問題(「日本人は静けさを好むのだ」なんて、ウソを言ってはいけません)や、コミュニケーション全体の問題(「いらっしゃいませこんにちわああああ」の連発が「お・も・て・な・し」なのかよ)を含め、日本人の自己イメージと現実との病的なまでの乖離は、取り返しのつかない深刻なところまできているのではないかと思いますね。

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カテゴリ:景観
何を注意したいのかわからない「出会い事故多し」看板
 景観(看板)についての話に戻ります。

 この国のいたる所に溢れかえる、

●役所・警察・自治会・学校・PTAなどが立てる注意・道徳・スローガンの看板、のぼり、垂れ幕、ポスター、貼り紙

 が、どれほど街の景観をみすぼらしく、汚らしく、幼児的なものにしているか。それには、そこに書かれた「言葉」も大きく影響してきます。
 そもそも「あれに注意しろ、これに気をつけろ、ああしてはいけない、こうしなさい、どうしてわからないの、何回も言ってるでしょ!」というヒステリックな言葉(そのヒステリックさをオブラートでくるんだ、「自称善人」たちのニチャニチャした気持ちの悪い言葉)が、(アナウンスも含めて)これほどまでに氾濫している国は尋常ではない……と言うしかないのですが、その「言葉」がデタラメな日本語であれば、なおさらそれを「無理やり見せつけられた(聞かされた)」ときの怒りは激しくなり、その後にむなしさだけがつのる白いテラスの午後3時という心境にさせられます。

 前々回のエントリー「たった一人の要求で立てられた『スリップ注意』のバカ看板」に掲載した、東京・多摩センター駅前のペデストリアンデッキに立てられた看板もその一種でしたが、そんなバカ看板はこの国の街中にいくらでも乱立しています。今回もそのひとつを取り上げます。またしても、役所と警察が立てた看板です。

出会い事故多し!!.jpg

 これは東京・武蔵野市の三鷹駅近くに広がる住宅地の注意看板です。
 この一帯は田園調布だの成城だのというレベルまでいきませんが、それなりに高級住宅地として知られる一画で、道路がきれいな碁盤の目のように走っています。その何十という道路の交差点のほぼすべてに、これと同じバカ看板が立てられているのです。

 この看板を設置した武蔵野市役所や武蔵野警察署の職員はもちろんのこと、毎日毎日飽きるほど見せつけられている住宅地の住人たちは、「この看板のフレーズ、なんかおかしいなあ。どうにも据わりが悪くてしょうがないぞ」という違和感のひとつも覚えないのでしょうか(つまりそれが、「注意看板なんて誰も見ちゃいない」ことの証拠なのですが)。

 私は通りすがりにこの看板を見て、
 「ほほう。この住宅地では『わたしぃ24歳のOLでぇ、顔はよく石原さとみちゃんに似てるって言われまぁす(はあと)』つーから会ってみたら、石原さとみじゃなくて石原軍団じゃねえかバカヤロウ!──事故が多発しているのか」
 と思いました。
 この住宅地の住人はよほど「出会い」が好きなんだなあ。スケベだなあ。それに、わざわざ路上で赤の他人にまで「事故」の注意をうながすなんて親切だなあ。でもなあ。そのための注意看板にしてはちょっと字が足りないし、「一時停止」とか「左右確認」とか意味不明。本当はこの看板、何を注意したいんだろう──。
 そんなふうに悩みに悩み、苦悩のあまり玉川上水で入水自殺してやろうかと思いました。

 というのはもちろんウソ。この看板の字句のどこがおかしいか、どう書き直せば「最低限、日本語としてまともな看板」になるかは、自転車ですれ違い様に一瞬でわかりました。わからないほうが日本語話者としてどうかしています。
 いや、本当に「どうかしている」としか思えないのですが──多摩センター駅前の看板と同様、こんな看板を設置する側も、見せられる側も、そのおかしさに気づかない人ばかりなのが「この国」です。

 交差点という交差点で「飛び出し注意!」「ブレーキかけろ!」「死亡事故発生地点!」などという、人を小バカにした、おどろおどろしい文句の看板ばかり見せつけられるこの国の街並みにはほとほとうんざりですが、それに加えてそこに書かれた「言葉」がこんなにもテキトーなものであれば、さらに腹が立つばかり。
 パチンコ屋の看板の「パ」の字が取れているなら「×ンコ~、チ×コ~」と笑うこともできますが、人様に向かって偉そうに説教をする看板の言葉がこれじゃあね……。

 この国では、もう長いこと「日本語ブーム」と言われ、漢字検定だのなんだのも受験者が増え、「正しい日本語、美しい日本語」についての意識が高まっている──と言われてますが、そのわりに、こんなデタラメな言葉の看板(やアナウンス)が増え続け、そのことを誰も気にしないのはなぜなのでしょう。
 私はこんなブログを書いているくらいだから、この国のことなんてもう大嫌いだし、日本語に特別な愛着なんかまったく持っていませんが、それにしても巷間言われる「日本語ブーム」と、実際にあらゆるところ(街中、駅、店、テレビ、新聞など)で垂れ流される「現実の日本語」との、あまりにも広い乖離には愕然とするばかりです。

 三鷹駅北口から徒歩数分の某住宅地に住むお金持ちのみなさーん。
 いくらお金があっても、こんないいかげんな言葉の看板を放置していたら、お×むの程度が知れますよ。せめて市や警察に「まともな日本語の看板にしろ!」ぐらい言ってみてはどうでしょうか。
 本当は「こんなギンギラギンの看板で、住宅地の景観を汚らしくするな」と言ってほしいのですが、それはどうせ無理でしょうからね。こういう看板を「汚い」とすら思わないなら仕方ありません。
 えっ、ここまで読んでも「この看板の言葉の、どこがどうおかしいのかわからない」? そういう人は、小学校から国語の勉強をやり直したほうがいいですね。

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カテゴリ:景観
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■プロフィール

Author:静かな街を考える会 別館
市民グループ「静かな街を考える会」会員のブログ。日本の街にあふれるスピーカー騒音や絶叫騒音、うるさい接客、醜い景観などの問題について書き綴っています。

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