台風が来たら、早めに避難所に行けばいいじゃん
 少々古い話ですが、去年、伊豆大島を襲った台風の後で朝日新聞の読者投稿欄「声」に載った、防災無線に関する意見をいくつか紹介し、批判と賛同をしたいと思います。

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(声)聞きとりづらかった防災無線

 無職 ●●●●(千葉県 65)

 台風26号が千葉県を通り過ぎるころ、寝床で同県船橋市の防災無線の音を耳にした。ただ、大型台風で上陸の恐れありという報道もあり、雨戸を閉め切っていた。風の音も激しく、外にいなければよく聞き取れない。これでは、せっかくの防災無線も役に立たない。緊急避難放送ならば聞き漏らして、逃げ遅れる事態にもなるだろう。

 特に、私のように視覚に障害がある者は、一人で緊急避難するのは難しく、少しでも早く情報を知って安全な場所に移る必要がある。台風などの風雨の激しい環境下では、音声でも聞ける一斉メールや一斉電話、広報車による聞き取りやすい呼びかけなど、防災無線以外も使って、確実に緊急情報が伝わるよう関係機関に要望したい。

朝日新聞「声」01.jpg

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(声)半鐘鳴らし災害防止しては

 商店経営 ●●●●(静岡県 63)

 このたびの伊豆大島の大災害で、避難勧告を出すべきだった、と言われていますが、大雨と強風の中、スピーカーでの広報は聞こえません。こうした場合、音がよく響く半鐘を鳴らしたらどうでしょうか。

 たたき方で内容を伝えるのです。自分が幼少のころ、消防署の塔から警報が伝えられました。火災の場合は、「どこそこが火事です」と放送した後で、チャイムを鳴らしましたが、そのチャイムの長さで火災の大きさを表現していたように記憶しています。

 また強風注意報などの場合は、「ボー」とサイレンが鳴ってから、一度小さくなってまた繰り返し鳴るのですが、回数で事の重大性を知ることができました。

 携帯電話などで伝えることも良いと思いますが、半鐘の音は、誰もが分かりやすいものです。今なら実際に半鐘を打たなくても、デジタル音で知らせることもできます。関係各位にご一考をお願いします。

朝日新聞「声」02.jpg

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 視覚障害があるから広報車でもなんでも使って避難情報を知らせろとか、台風のときに音声放送は聞きづらいから半鐘を鳴らせとか、いろいろ言ってますが、どちらも共通するのは「避難命令が聞こえたら逃げるから、ちゃんと教えろよ」という要求ですね。私にはこの考え方がわからない。

 このブログでは何度も、同じようなことばかり書いていて自分でもうんざりしますが、避難を考えるほど大きな台風が来たら、いちいち自治体が命令を出す前に、自分の判断で早めに逃げればいいじゃないか。なぜ、こういう人たちは、自分が生き延びるための判断を、自治体の放送という他人任せにしてしまうのでしょうか。

 近くに知人がいたら早いうちに連絡をとって避難させてもらったり、知り合いがいなければ公民館などに駆け込んだりすればいい。この場合、本当に必要なのは、台風が「来る」前の「近づいてきた」段階で、「こりゃ、やばいかもしれないな」という状況になったら、自治体が公民館や学校など避難できる場所を早めに開けておくこと。自分は避難すると判断した住民が、いつでも入れるようにしておくことでしょう。
 もし、避難所を開けたはいいけど実際の被害は大したことがなかったとか、早く開けすぎたせいで避難所を維持するコストが必要以上にかかってしまったとしても、自治体は「早く対応したおかげで被害がなくてよかった」と考え、「無駄なコストを使ってしまった」などと思わないこと。住民も「早く避難しすぎると恥ずかしい」だの、「無駄足を踏んでしまった、チッ」などと思わないことが大切です。
 こういう考えを持って自主的に行動してくれない人、つまり「行政が指示してくれたら避難するもん(指示してくれなきゃしないもん)!」という幼稚な考えを持ち、命令があるまでテコでも動かない、というわけのわからない人ばかりいるから、防災無線の無駄な放送が氾濫してしまうんです。

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(声)災害時には自己責任で避難を

 中学校非常勤講師 ●●●●(愛知県 72)

 台風26号に襲われた伊豆大島では、多くの尊い命が奪われました。犠牲者が出るのを抑えるにはどうしたらよいのか、改めて考えさせられます。私は、被災地の人々が、行政の発する避難指示や、メディアの情報に頼りすぎているように思います。被害にあってから、行政やメディアの対応を批判する傾向がありますが、後の祭りではないでしょうか。

 伊豆大島では、助かった人がテレビのインタビューに、「10歳の時の台風で土砂崩れと洪水を経験していたので、すぐに、激しい風雨の中を高台へ避難した」と語っていたのが印象的でした。

 自然災害の多い日本では、山の斜面や崖下に住んでいる人は土砂崩れを、川の近くに住む人は洪水を、海岸沿いに住む人は高潮・津波を常日頃から意識し、逃げ場所を決めておくことが必要だと思います。気象庁は全国津々浦々の地形にまで対応した警報を出せるとは限りません。自然災害が予想される時は、自己責任で素早く避難することが何より大事だと思います。

朝日新聞「声」03.jpg

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(声)命は自分で守る努力が必要

 無職 ●●●●(神奈川県 81)

 台風26号で伊豆大島(東京都大島町)は大変な災害にみまわれ、多数の犠牲者が出ました。関係者の皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

 伊豆大島は台風26号が、ど真ん中を通るニュースがたびたび報じられ、新聞、テレビの報道によれば、気象庁の「土砂災害警戒情報」が出されていました。町長が「避難勧告」を出さなかったと、町長の責任を問う声が出ています。しかし、私は住民の自衛の意識を考える契機にするべきではないかと考えます。

 今回の台風は何十年ぶりかの大型台風だと、新聞、テレビで報道され、それが「警戒警報」でした。私たち戦中派は「警戒警報」が出されたら、その後の空襲に備えて、普段着のままで寝ずにいたことを思い出します。台風の進路の中にいる人たちは、もっと早く、自分自身で逃げる準備をすることはできなかったのかと思うと、残念でなりません。

 もちろん、自治体の長としての町長の責任も議論されてしかるべきだとは思いますが、そこだけに流れてはいけないと思います。自分の命を自分でまず守るためにはどう行動するべきなのか、今回の悲劇から多くのことを教訓とするべきでしょう。

朝日新聞「声」04.jpg

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 私は、この二つの投書には全面的に賛同します。

 特に台風の場合、風雨の音で防災無線の放送が聞こえなくなるのは当たり前なのです。ケータイにメールや(技術的に可能かどうか知りませんが)音声で情報を個別送信するのはいいことだと思いますが、防災無線や広報車から無差別に一斉放送を流すなんて物理的に「無駄!」としか言いようのない手法をとるのは、もうやめにしませんか。
 近所の火事のような本当の緊急事態のときに消防車がサイレンを鳴らすのと、台風で防災無線から放送をするのは、まったく違う性質のものなんだと、なぜわからない人ばかりなのか、そのことのほうが私は理解に苦しみます。

 それから、防災無線以外のメディアを使って災害情報を流すのはいいのですが、これだって最近はどう考えてもやりすぎです。
 例えば1、2カ月前にテレビを見ていたら、いきなり画面に「和歌山県に大雨・洪水警報」というテロップが出てきてびっくりしました(確か和歌山だった)。あのー、ここは東京なんですが、なぜ東京の住民が和歌山の災害情報を、そこまで強制的に見せられなきゃならないんでしょうか。空前絶後の巨大台風がついに和歌山で上陸した! というなら話は別ですが、大雨情報ぐらい天気予報の時間に伝えればいいことでしょう。
 別の日には、「島根県に大雨・洪水~」というテロップも見た記憶がありますし。

 そんなふうに「また災害だ~! ほら災害だ~! 怖いぞ~! 恐ろしいぞ~!」なんて、行政やマスコミがわざわざ遠く離れた場所まで、いちいち恐怖心を煽るような情報ばかり流すから、受け取るほうは結局「あ、そ」と見逃す(聞き逃す)ようになる。そのオオカミ少年効果のせいで、いざ本当の災害時に情報を流しても、誰も本気で受け取らなくなって、避難せず被害に合うようになる。被害に合ったら合ったで「指示してくれない行政が悪い~、教えてくれないマスコミが悪い~」の大合唱になり、自分で判断できない(したくない)人たちは「もっと情報を流せ!」と要求し、さらにオオカミ少年効果で……。

 日本の災害対策というのは、官民そろっていつまでも、こんな堂々巡りを続けているだけなのですから、進歩も何もありゃしません。「あえて情報を流さないことの大切さ」を、少しぐらい考えてみればいいのに。
 いっそ災害情報こそ「特定秘密」に指定して、一切ひ・み・つにしたらどうすかね。「死ぬときはみんな一緒やでえ~」という考え方もまた、日本人らしいじゃあ~りませんか?

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カテゴリ:防災無線・広報車・夜回り
アメリカに選挙カーはあるのか、ないのか、どっちだ?
 うげげげ。先日、テレビで放送された映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を見ていたら(今まで見たことなかった)、主人公の住む町の市長選挙とかで、日本と同じような選挙カーが、「私に清き一票を!」と喚きながら走り回っていたのでびっくり。しかもそれは「選挙なんだから当然さ」という感じで描写されていました。

 「アメリカには選挙カーなどない」とか、「アメリカ人に日本の選挙カーの騒音を体験させたら、『オーマイガッ!』とひっくり返っていた」とか、ネットでざっと検索するとそんな情報は見つかりますが、実はこれは嘘っぱちで、アメリカでも選挙カーの連呼は当たり前のものなのでしょうか? よくわからん……。

 海外の映画や旅番組などを見ていると、意外なところで日本と同じような「スピーカー騒音」が出てきて、驚くことはよくあります。

 どんなタイトルだったか忘れましたが、やはり最近見た20~30年くらい前のアメリカ映画で、登場人物が街頭にある銀行のATMから、「イラッシャマセ! カードヲオイレクダサイ!」と連呼されているシーンがありました。「欧米のATMは日本のようにやかましくない」という説からすると不思議なのですが、映画ではやはり当たり前の光景として描かれていたので、これも普通のことなのか?

 旅番組でオーストラリアのシドニーの回を見たら、民族衣装を着たおっさんがラッパを吹き鳴らし、「シドニーへようこそ!」と大声を張り上げながら町を歩き回っていたので、これも驚きました。観光客向けのアトラクションのようでしたが、毎日毎日あんな音を聞かされて、住んでいる人たちから苦情は出ないのか?

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 「ドミノ!ピザ!」喋るバイク、静かすぎる電動のエンジン音を“改善”。

 ドミノ・ピザ・オランダは宅配に使用する電動スクーターのエンジン音が静かなことによる「交通の安全性」を懸念。そのため静かなエンジン音をあえて「改善」して、人の声でエンジン音を「ブ〜ン」と真似るスクーターを製作したそうだ。アクセルを回すと、加速状態の時だけは普通のスクーターのような音を発するものの、合間や停止中などでは、はっきりと「ドミノズ!」「ピザ!」という言葉が聞こえる。

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 宅配ピザのバイクから、「ドミノズ!」「ピザ!」という「人の声を録音したエンジン音」が聞こえてくるそうですが、これがオランダ人に大受けだそう。「うっせえな」とか「しつこいよ」とは思わないものなんでしょうか?

 ま、私は海外にはほとんど行ったことがないし、「海外(欧米)と比較して日本はうるさい」と言っているわけでもありません。単純な欧米信仰などではなく、あくまでも日本が、私にとって絶対的にうるさい、おかしいと思うから怒っているだけなので、これらのことを知ったからどうというものでもありません。映画やドキュメンタリーなどを見ていて、町の音が聞こえるシーンで「なんでこんなにうるさいんだ~」と思うのは、日本の作品のほうが圧倒的に多いですし。
 それでもやはり、「海外も意外と、スピーカー騒音であふれてるんだなあ」と感じてしまうと、なんだか残念な気持ちになってしまいます。

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カテゴリ:騒音をめぐるあれこれ
廃品回収車への110番回数(2013年12月)
 2013年12月の廃品回収車(不用品回収車)に対する110番通報は、1回でした。

 1カ月を通じて、業者が現れたのは3、4台ほどと本当に少なかった。そのうちの1台はかなり音量が大きく、うちの周囲をのろのろ、うろうろしていたので110番しましたが、残りは様子を見ているうちにいなくなってしまったので、通報するまでもありませんでした。
 今年もこの調子で、廃品回収業者の騒音被害「だけ」でも、さらに減り続けてほしいものです。

●2010年6月以降の110番回数

2010年6月  2回
2010年7月  5回
2010年8月  8回
2010年9月  7回
2010年10月  8回
2010年11月 14回
2010年12月  6回
2011年1月  4回
2011年2月  2回
2011年3月  1回
2011年4月  0回
2011年5月  1回
2011年6月  5回
2011年7月  5回
2011年8月  1回
2011年9月  5回
2011年10月  1回
2011年11月  7回
2011年12月  4回
2012年1月  3回
2012年2月  1回
2012年3月  1回
2012年4月  3回
2012年5月  2回
2012年6月  1回
2012年7月  2回
2012年8月  1回
2012年9月  2回
2012年10月  5回
2012年11月  3回
2012年12月  5回
2013年1月  1回
2013年2月  2回
2013年3月  4回
2013年4月  4回
2013年5月  0回
2013年6月  1回
2013年7月  2回
2013年8月  4回
2013年9月  0回
2013年10月  3回
2013年11月  1回
2013年12月  1回

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カテゴリ:廃品回収・移動販売
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Author:S.B
市民グループ「静かな街を考える会」会員S.Bのブログ。日本の街にあふれるスピーカー騒音や絶叫騒音、うるさい接客、醜い景観などの問題について書き綴っています。

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